21.寂寞 ページ22
Aside
次の日の朝ちょっと早く目覚めた。
隣の翔を起こさないように、そっとベッドを抜け出し、もう音がし始めているキッチンへ向かった。
良子「あらAちゃん、おはよう。相変わらず早いわね〜」
A「おはようございます。何か手伝うことありますか？」
良子「いつもありがとね、じゃあこれお願いしようかな。」
任されたサラダ作りを遂行しつつ、キッチンから見える櫻井家の家族写真を見ていた。
私の家には家族写真がない。
昔は撮ったのかもしれないし、探したらあるのかもしれないけど、少なくとも私は見たことがない。
それとは対照的に、家族写真で溢れる櫻井家なダイニングを見ていると、羨ましさと同時に少し寂しさを感じる。
私もこんな温かい家族がいたらな〜
どんなに嬉しいことがあっても、ふと感じるこの寂しさが消えることは、この先あるのだろうか。
良子「さあ、朝ごはん完了〜色々手伝ってくれてありがとう。まだみんな起きてこないから、この間に家に戻って準備してきたら？」
A「そうします！」
良子「朝ごはんはまた戻ってらっしゃい〜優がAちゃんいないと怒るしね笑」
A「ありがとうございます笑じゃあちょっといってきます」
そう言って私は櫻井家をあとにした。
A「ただいま」
返事がないと分かっていても、この言葉は口にしてしまう。
玄関に見たことのない男の人の靴があったのは気のせいか。
気のせいだといいなとは思うけど、きっと気のせいじゃない。
なるべく気づかれないように、
気配を感じられないように、
自分の部屋に向かって、学校に行く準備をする。
昨日は学校のジャージをパジャマ代わりに使った。
A「明日体育だから洗濯しなきゃ…」
何故か口から出た独り言。
制服にも着替え終わって、
"よーっし！"
なんて意味のない独り言をつぶやいた。
さっさと櫻井家へ戻ろう。
さっきから感じるこの家の空気は気持ち悪くてしょうがない。
おばさんの朝ごはん美味しそうだったなぁ
なんて思いながら、玄関のドアノブに手をかけたそのとき、
陽子「どこ行ってたの？」
背後から冷たい声が聞こえた。
A「翔の家。」
陽子「ふぅん。」
何が言いたいの、そう口を開く前に言葉が続いた。
陽子「ずっとそのまま帰ってこなくていいのに笑」
A「……っ」
そのあと聞こえた気味の悪い笑い声を、とにかく聞きたくなくて、逃げるように家を出た。
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千夏(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます。そう言っていただけると励みになります！これからも更新頑張ります(*^^*) (2019年7月12日 18時) (
レス) id: cb9625e1dc (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 千夏さん» いえいえ！ 本日も更新ありがとうございます！ 毎日楽しみにしてます！ (2019年7月10日 18時) (レス) id: 3c3d254d07 (このIDを非表示/違反報告)
千夏(プロフ) - ayaさん» すみません、すっかり忘れていました…(^_^; わざわざ教えていただき本当にありがとうございます！ (2019年7月10日 7時) (レス) id: cb9625e1dc (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 千夏さん» コメントありがとうございます！ はい！応援してます！ ちなみに、返信するときはレスっていうのを使うといいですよ！(知ってたらごめんなさい) (2019年7月10日 7時) (レス) id: 3c3d254d07 (このIDを非表示/違反報告)
千夏(プロフ) - コメントありがとうございます！感想とても嬉しいです(*^^*)感謝の気持ちは更新でお返しできたらと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いします！ (2019年7月10日 0時) (レス) id: cb9625e1dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千夏 | 作成日時：2019年7月8日 11時
