One -zero- ページ8
世界が注目する芸術の鬼才・大野智。彼のもとで一ヶ月の間俺は勉強という名目でアシスタントをやることになった。
別になんでもよかった。ただ、チャンスだと思った。
必ず傍に置かれていた俺にやっと自由な時間が手に入ったのだ。一ヶ月だけでいい。あの屋敷にいなくていいのなら。勿論ちゃんと勉強はするし手伝いもやる。そこに手は抜かない。使えないと思われて早く帰されたら大変だ。
「…様。翔様。着きました」
運転手の声と共に車が停止する。
「…一人で行くよ」
ついてこようとする運転手をやんわりと往なし、セキュリティらしきドアのインターホンを押す。
「入って」
予想より低い声に促されるままドアを跨いだ。
すぐにドアは閉まり、俺が入ったのを確認してか遠くで車が去っていく音がした。
玄関のドアを開ける。
思っていたより小柄な男性だったがその眼と立ち振舞いはどこか圧がかかっていた。
「…翔、です」
数秒なのか数分なのか、無言で俺を見て。
喉の奥がﾋｭｯと鳴る。
「…わっ！?」
次の瞬間 突然身体にずしりと衝撃が加わり、抱き締められたのだと理解が遅れる。
記憶のなかでは、初めて人に触れられたのだと思う。触られるのはむしろ苦手だと思っていたが、それにしても。
こんなに優しくて暖かいものなのだろうか…？
不思議と、嫌な感じはしなかった。
・
あの屋敷に帰るつもりなどなかった。だがここに匿われようとも思ってない。それはこの男がそんなことをするとは到底思えず、またこの男に迷惑がかかるからだ。
なのに、あなたは僕を最高に捕らえてくれたね。笑っちゃうほど、愛おしそうにさ。
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Mia.(プロフ) - きよさん» きよさん、コメントありがとうございます。sygrの山キャンプがあまりにも尊く…、つい書きました。久しぶりの執筆でしたので稚拙なものとなりましたが、あたたかいお言葉本当に嬉しかったです。励みになりました。またいつか更新した際はどうぞ宜しくお願いします。 (2020年9月23日 10時) (
レス) id: 0519a4140b (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - Mia.さん、山コンビのキャンプ尊いです 。翔くんもキャンプにはまりそうでしたよね。でもやっぱり、二人だから楽しかったし、やりたくなったんですよね！ドンピシャなお話しありがとうございました。 (2020年9月20日 22時) (レス) id: ae2dee5c90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mia. | 作成日時：2019年1月23日 18時
