掃いて捨てるほど ページ3
何もかも変わってしまった。
想像以上に数年という年月は長かった。
何度季節を繰り返し、その度何度味気無い日常を過ごしてきたか。
何もかもが変わったのは仕方ない。時代とは世間とは人間とは移ろうものだ。とうに忘れられている。顔も。名前すら。
ただあまりにも呆気なかった。
安易に会えるとは思ってない。具体的な年月も決めてない。約束は無かった。果たされないことを担保にしたくはなかった。それでいいとさえ思った。成るようにしか成らないと思った。当たり前にその時は未来で、それも過ぎ去ってしまえば当たり前に現実しかなかった。
わからなかったわけじゃない。
けれど手段がそれしかなかったようにも思えない。選びとったものが間違いだったかどうかなんて今も互いに知らない。生きているのかさえ己には届かない。何も報されない。
空を見た。淀みの無さにまた心を殺がれる。同じ星。この惑星にいる。それだけのように思えた、自分たちを今繋いでいる共通点は。同じ人間とは到底思えぬ程真逆で、歩む道も別々だった。目指すものがあって、その為に二人での明日を捨てた。乖離していく距離とは裏腹に、毎日あの人のことを思った。
持て余しすぎていた。
何の余裕も猶予もなかったというのに、ただただ熱に浮かされていた。美化せずとも美しく、本気だった。甄別するのに誤ったのはいつだろう。
思い出を並べるのは簡単だった。残しておきたいことだけを残した。それで完結できた。はずだった。
そもそも対極にいた。ひとつも似通っているところはなかった。強いていえば味覚か、なんて。何の言い訳にもならないことに遅れて気付く。
覚悟を決めたあの日、前だけをみてきたつもりだった。大丈夫。やっていける。元に戻っただけ。何も失わない。得たものをそっと心に仕舞うだけ。容易い。可。
一体どれ程の間この地を訪ねることができなかったろう。
終わりにした、場所。
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Mia.(プロフ) - きよさん» きよさん、コメントありがとうございます。sygrの山キャンプがあまりにも尊く…、つい書きました。久しぶりの執筆でしたので稚拙なものとなりましたが、あたたかいお言葉本当に嬉しかったです。励みになりました。またいつか更新した際はどうぞ宜しくお願いします。 (2020年9月23日 10時) (
レス) id: 0519a4140b (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - Mia.さん、山コンビのキャンプ尊いです 。翔くんもキャンプにはまりそうでしたよね。でもやっぱり、二人だから楽しかったし、やりたくなったんですよね！ドンピシャなお話しありがとうございました。 (2020年9月20日 22時) (レス) id: ae2dee5c90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mia. | 作成日時：2019年1月23日 18時
