go to camp!! (※2020/09/19sygrより) ページ17
「…よし、っと…！」
しっかりと四隅をペグダウンし、タープを取り付ける。
ペグダウン、そんな言葉すら知らないほど櫻井はキャンプ初心者だったというのに。
(あの取材の前は、小学生ぶりだったもんなぁ…)
先日の取材で大野とキャンプをしたことが思いの外楽しく、急に出来たオフに櫻井は一人キャンプをしに来ていた。楽しい息抜きになると信じて。少しでもキャンプ力をつけたくて。もしまた次ーー、大野さんとプライベートで行くようなことがあれば、その時は。
翔くんスゴいね！？のその驚いた顔が見たくて。
(大野さん、今なにしてるかな…仕事かな)
最近は忙しく大野のスケジュールもあまり把握できていない。そうだ、と思いつきポケットからスマホを取り出す。
汗をかいた自分の顔と共に映したのは今しがた完遂したペグダウン。
"ペグダウンしました"
写真つきでポンと送る。
勿論、大野一人きりに。
さて、と一息つけば、持ってきた火打石で火をおこす。取材ではあんなに苦労したのに、思いの外あっさり着火してしまい拍子抜ける。
今回は山だけど、久しぶりにした釣りは楽しかったと記憶が思い起こされる。
(そういや水羊羹も、あんなに喜んでたなあ…)
今回はレトルトだけど、と火にかけながらしみじみと反芻する。
一人で来たのに思い出すのはそのことばかりで、上手に仕事のことを忘れられていることに驚く。
陽が落ち、焚き火の灯りをぼーっと見ながら一人で晩酌をした。
楽しい、と思っていたキャンプは、楽しくないわけではなかったけれど、案外素っ気ないもので、どこか物足りない。
ーーあんなに楽しかったのにな。
風が強かったせいでタープを張るのも火を起こすのも一苦労したし、流しそうめんは全然掬えなかったけど。
(あれはあれで面白かったな…)
今回のがスマートに出来たのは確かだ。タープだってすぐ張れたし、火だって起こせたしーー、なのに。
寂しい、と思わずにはいられない。
ピロン、着信を報せる音。
何故かドヤ顔の写真と共に。
"翔ちゃんが一人でもキャンプしてんの超嬉しい！！こないだのアレ、楽しかったぜ！また今度、絶対行こうね！勿論、釣りも。仕事終わりの智より"
くは、と笑ってしまう。
ーーそうか、あなたがいたから楽しかったんだ。
"お疲れ様！寂しいので今からそっち行きます"
たまにはちょっとくらい素直になってもいいよね？
さあ、帰ろう。
あのランタンが沢山並ぶあなたの家へ。
続く (更新停止中)
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Mia.(プロフ) - きよさん» きよさん、コメントありがとうございます。sygrの山キャンプがあまりにも尊く…、つい書きました。久しぶりの執筆でしたので稚拙なものとなりましたが、あたたかいお言葉本当に嬉しかったです。励みになりました。またいつか更新した際はどうぞ宜しくお願いします。 (2020年9月23日 10時) (
レス) id: 0519a4140b (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - Mia.さん、山コンビのキャンプ尊いです 。翔くんもキャンプにはまりそうでしたよね。でもやっぱり、二人だから楽しかったし、やりたくなったんですよね！ドンピシャなお話しありがとうございました。 (2020年9月20日 22時) (レス) id: ae2dee5c90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mia. | 作成日時：2019年1月23日 18時
