doggy days ページ13
とても綺麗な人を見た。
友人に誘われて行った著名人の集まるハイソなパーティー。なんでもどこかの政治家と財閥の息女が婚約した御披露目会だとか。そんなことでいちいちパーティー開くのかよ。見栄の渦巻く歪んだ空間。
その友人もまたつまらなそうにグラスを傾けていた。
「おい斗真、話が違うじゃん、俺美人な子たくさんいるっつーから来たのにさ」
「いるじゃん、そこかしこに」
「そうだけどそうじゃねえ…明らかに場違いだろ、俺」
「そうか？よく似合ってるぞ正装も。顔が派手なだけあって映えるからお前連れてきて正解だったわ」
「お前が直前に女にフラれんのが悪ぃーんだろが、一緒に行く人いないのはカッコがつかねえって」
「そりゃそうだけど。でも可愛い子いるって釣られたのはお前」
「…そうだけどさぁ」
「それに、逆玉狙えるかもよ。潤、顔イイんだし」
「そうね〜…職業探偵でも見向きされたらいいんだけど」
俺の親友の斗真はこう見えて結構イイトコのお坊ちゃん。というか親が大企業の社長で小さいときからこういう場に慣れているらしい。
一方の俺はフリーターもいいとこの探偵業。仕事がなけりゃ女ナンパしにいってるような自堕落っぷりで。
「あら、生田のところの」
話しかけられた斗真がワリィ、とジェスチャーして顔見知りの挨拶へと傍を離れる。
グラス片手にぽつんと手持ち無沙汰になってしまった俺はとりあえず辺りを見回す。腐っても探偵、そこはね。情報こそ武器だ。
色とりどりの正装ドレスを身に纏った女たち。その傍には大体男がいて、いろいろな画策が水面下で動いているようにも見える。面倒な駆け引きは好きじゃない。時間の無駄だったと思い始める。
まぁ、良い経験にはなるか。斗真が選んでプレゼントしてくれたお高いスーツを着ているせいか思ったよりは悪目立ちしていない。幸いスーツに着せられていることはないように思う。探偵には不向きだと言われたこの顔が今は少しだけ誇らしい。
ガシャン、余所見をしながら歩いていたせいか誰かとぶつかりグラスを落としてしまう。
すぐに主催者側の人間が駆けつけ速やかに破片が片付けられる。
「すみません。お怪我はないですか？」
いやいや余所見をしていたのは自分で。
そう謝ろうとしたのにその人は。とても美しかった。
「あぁ、少し汚れてしまっていますね。申し訳ありません。弁償致します」
白い手袋が懐からネイビーのハンカチを取り出し、躊躇いもなく俺のスーツを拭く。
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Mia.(プロフ) - きよさん» きよさん、コメントありがとうございます。sygrの山キャンプがあまりにも尊く…、つい書きました。久しぶりの執筆でしたので稚拙なものとなりましたが、あたたかいお言葉本当に嬉しかったです。励みになりました。またいつか更新した際はどうぞ宜しくお願いします。 (2020年9月23日 10時) (
レス) id: 0519a4140b (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - Mia.さん、山コンビのキャンプ尊いです 。翔くんもキャンプにはまりそうでしたよね。でもやっぱり、二人だから楽しかったし、やりたくなったんですよね！ドンピシャなお話しありがとうございました。 (2020年9月20日 22時) (レス) id: ae2dee5c90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mia. | 作成日時：2019年1月23日 18時
