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奥底 ページ11

狂ってる、と思った。それはもう素直に。
狂ってる。
自分が常識人だからじゃない。男同士だから?それも違う。ただ 愛なんて生易しいものじゃない、それよりも深かろう何かで繋がっている二人に、どこまでも恐ろしいなと思う。神聖で、おどろおどろしい。物言わぬ狂気。底知れぬ。

大野さんと翔さんは俺ら年下に公言したことは一度とて無かったけれど、きっと付き合っている。人の機微に敏い俺はすぐに気づいてしまった、この二人が"普通ではない"ことに。


言うなれば対極の存在。感覚派と理論派。光と陰。太陽と月。赤と青。なのに惹かれ合う。だから惹かれ合う…?


共依存が過ぎる、と思った。




「な〜に小難しい顔してんの、ニノ」

わっ と顔を覗かせたお天気者にため息をつく。するとまたわかりやすく膨れられて、面倒だなと笑みがこぼれる。



「お前にはわからねえ〜よ!」


あなたは何も知らなくていいのだと牽制したつもりだ。あなたは何も知らなくていい。あの二人の関係も、そんな二人をもはや正常でないと思っている自分のことも。

この人は。俗世に汚されてほしくない。皮肉にまみれた自分とは一線を置いてほしい。いや今まで意識して置いてきた。ただ笑ってていてほしいだけ。傷ついた風にではなく。心の底から幸せそうに。


そう。極端な話幸せになってほしい。この人のことを絶対に裏切らず、死ぬまで味方でいてくれて、愛などでは言い表せぬような…確実な絆で…何かこう…もっと……あれ。

この、感覚。

あの二人だ。


あの二人もそういう深い深い何かで繋がっている。そこには第三者の介在しない。ある意味閉鎖的で完結した世界がある。

そうか。自分は羨ましかっただけなのか。
あんな風に、二人で生きていけたら。いや、少なくともあの人にそんな人がいてくれたら。


はは。自分も大概まともじゃねえな。

おかしくて、くすぐったくて ふふと笑った。

誰にも聞こえず圧し殺したつもりなのに、どうしたのと言わんばかりの瞳が覗きこむ。黒目がちでとても綺麗な。


「ほらアイバカ、担当コーナーの打ち合わせすんぞ」

「あ〜!まだ何も言ってないのにそうやってすぐバカとか言うじゃんほんとニノってばさ!」



バーカ、ほんとのバカは俺なんだよ。
お前が知ることはたぶん一生ねえけど。

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Mia.(プロフ) - きよさん» きよさん、コメントありがとうございます。sygrの山キャンプがあまりにも尊く…、つい書きました。久しぶりの執筆でしたので稚拙なものとなりましたが、あたたかいお言葉本当に嬉しかったです。励みになりました。またいつか更新した際はどうぞ宜しくお願いします。 (2020年9月23日 10時) (レス) id: 0519a4140b (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - Mia.さん、山コンビのキャンプ尊いです 。翔くんもキャンプにはまりそうでしたよね。でもやっぱり、二人だから楽しかったし、やりたくなったんですよね!ドンピシャなお話しありがとうございました。 (2020年9月20日 22時) (レス) id: ae2dee5c90 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Mia. | 作成日時:2019年1月23日 18時

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