Co-addiction ページ2
「…あ?」
意味がわからない、と言いたげに眇められた目を受ける。まるで昔みたいに、苛立ちを隠しもせず嫌悪を全身に出しながら。ああ。お前はそういう奴だったよ。
「…だから。今さらなんだよ」
おおこわ。お得意の営業スマイルはどこへやら。結構頑固なとこあるよね。俺も人のこと言えねーけど。
「だから、しょーくんのことを考えたら、」
「アンタ馬鹿かよ」
遮られた声は低く、それでいてもどかしさに苦しむ思春期のようで。俺はどうせ馬鹿ですよーだ、と胸中おどけてみせる。
「今さら何なワケ!?俺がどんな思いしてあなたをやっと受け入れたと思ってんの?そりゃさ葛藤なんて幾らでもしたよ!俺には人より多くを抱えている自信はあったし悩まないはずなかったよ!でもさ、でもさぁ…あなただから!あなただから受け入れたんじゃない、あなたを信じた俺を今更…今さら棄てるって!?」
栓が切れたように次々と恨み言がぶつけられる。いいね。これだよ、これ。お前のこういう女々しいとこ、俺はすんげー好き。もっともっと俺に落ちればいい。もっともっと。
「…わぁーったよ」
面倒臭そうに煙を吐きながら承諾する。もともと終わりにする気なんて微塵もねぇけど、時々こうして確かめずにはいられなくなる。そうしてコイツが離れられないことに安堵して俺は日常に取りかかる。
「もうこんなこと言うなってば」
若干泣きそうなお前の面、そそるよ。なんてこの場にそぐわないことを人知れず思う。
「ごめんって。」
そっと抱き締める。するとちゃんと機嫌を直してくれて、迷子を脱却した子供のように安心した顔をする。たまらない。やってることがDV男と変わんねぇなと苦笑する。
「…好きだよ。智くん。」
「ああ…俺もだよ、しょーくん。」
揺るぎ無い愛を今日も確認して。
103人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Mia.(プロフ) - きよさん» きよさん、コメントありがとうございます。sygrの山キャンプがあまりにも尊く…、つい書きました。久しぶりの執筆でしたので稚拙なものとなりましたが、あたたかいお言葉本当に嬉しかったです。励みになりました。またいつか更新した際はどうぞ宜しくお願いします。 (2020年9月23日 10時) (レス) id: 0519a4140b (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - Mia.さん、山コンビのキャンプ尊いです 。翔くんもキャンプにはまりそうでしたよね。でもやっぱり、二人だから楽しかったし、やりたくなったんですよね!ドンピシャなお話しありがとうございました。 (2020年9月20日 22時) (レス) id: ae2dee5c90 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Mia. | 作成日時:2019年1月23日 18時