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【Ωバース】【シリアスっぽい】【あんま好きじゃない人いるかも…】◯ ページ25

夢主がΩ、真昼がαでいかせていただきます。


真昼 side



次は移動教室なのに、Aが教室にいないから探していた。

多分、近くの空き教室でゲームしてるんだろうなあ。

でも、カバンもないってのはおかしいよな…?



ガタンッ、ガサッ、


「うわっ!?…ここからか…」



歩いていたすぐ横の空き教室から音がした。

ドアを開けてすぐに机が散乱していた。

まるで、誰かが入らないように。



「うわ、誰がやったんだ…?…あ、A…」



机の影になっている所にAが見えた。

苦しそうに呼吸を繰り返しながら。



「ッ、まひ、る…だめだ、近づくな…ッ!」



その後の詳しい記憶はない。

覚えてるのは、俺がAを無理やり襲ったことだけ。

気が付いた時には、Aは気を失っていていた。


その時の記憶もあまりなくて、意識がはっきりしだしたのは病院。

Aは病室のベッドで白い服を着て横になっていた。

顔や腕にガーゼが至る所にあった。

俺はそんなAを見てられなくて、病院の中庭でただぼーっとしていた。



“恐らく、彼女はあの時期だったんでしょう”


“彼もヒートを起こしてしまった。

高確率で子供を身篭ってしまったでしょう…”


“まだ学生です。

どうするかは本人達に任せましょう”



そんな会話を思い出す。

自然と視線が下に落ちてしまう。



「…真昼!はあ、やっと見つけた…!

ここにいたのかよ…!」


「え、A…」


「見つけんの大変だったんだからな。

にしてもここ、いいところだな。花沢山ある」



俺が座っている隣に座る。

そして、ベンチの横にある花を撫でた。



「A、ごめっ、」


「謝んな。薬忘れた私も私だ。仕方ない」


「でも、ヒート起こしてっ、」


「だから、そういうのいいからって」



こっちを見ないままそう答える。

きっと、強がりだろう。

Aはそういう人だ。



「…まだ番とかじゃないけどさ。

いつかそうなれたらいいな、とか思ってたんだよ。

真昼は?思ったことない?」



不意に覗き込まれる。



「…ずっと、思ってたけど…」


「けど、なんだよ。嫌なのか?」


「そんなわけない!」


「じゃあいいじゃん。

真昼が全部悪いってわけじゃないべ?」



くしゃ、と少し頭を撫でられる。



「…なんだよ、泣いてんのか?」



そう言われて頬を触ると、涙が流れていた。

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作者名:リリムゥ | 作成日時:2018年3月31日 18時

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