色々普通の人と違う私達は。番外編っ！【サーヴァンプ】 (ページ18)

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【夏といえば海！】【っつーわけで海来たぜ！】２ △ ページ18

…クロは無理やり連れていかれたね。

どんまいとしか言いようがない。

あ、琴葉の魔法で人型にされた。

あ、ハイドとかもだ。

…日陰最高。

…飲み物買ってこようかな。

ラムネ飲みたい。

「ラムネー！一本どうですかー！？」

「あ、一本…いや、二本ください」

「まいどありっ！三百円です！」

「ありがとうございます」

「また買ってくださいねーっ！」

この暑い中頑張ってるなあ。

冷たいラムネを喉に流し込みながらそう思う。

カラン、とビー玉とガラス瓶の音が聞こえた。

「あーっ！Aラムネ買ってる！

ください！」

急に言われたので驚いた。

「いや、自分の金で買えよ…。

そこらへんにラムネ売ってる人いるから」

「お金持ってきてない！」

「それはもう…諦めろ」

「二本あるからいいじゃん！」

…そういや、なんで二本買ったんだろ。

まあいいか。ってかマジで自分の金で買えよ。

「Aも泳ごうよ！楽しいよ！」

「海で泳いで何が楽しいんだよ…」

「もー！カカオ九十%！ツン九割！」

カカオ九十%って。そんな苦くねえよ。

ラムネの瓶をゴミ箱に捨てた。

琴葉は私の腕を引っ張り、海に投げた。

…文字通り、投げた。

海水が口に入り、しょっぱい味が口に広がる。

「げっほ、げほ、しょっぱ…。

つかパーカー濡れた…」

「あはは！泳ごうよ！ほら！」

「うわっ、押すな、倒れっ、」

ばしゃん、と水面に体が打ち付けられる音がして、音が聞こえなくなった。

…あれ、意外と深いな。

ゴボッ、と息を吐き出しては水泡になって水面に消えていく。

目を開けてみた。

水の中は思った以上に青くて、太陽が海を輝かせていた。

息が苦しい。

もう一度目を瞑る。

誰かに腕を引かれた。

音が聞こえるようになって、息ができた。

「がはっ、げほ、げほっ、」

水を吐き出しては、酸素を一気に取り込んだ。

「っはあ、大丈夫か！？」

声だけでは誰か判断できなくて、目を開けた。

真昼だった。

「っふ、はあ、だいっ、じょぶ…」

「…良かった…」

「A！ごめん！本当ごめん！」

「…いや、大丈夫。もう大丈夫。

…でも海に投げられるとは思わなかった」

「ごめんなさい…」

しょぼん、と小さくなった琴葉。

「あー…パーカー濡れた…。

更衣室においてくる…」

つか、あんな泳げねえなんて思いもしなかった…。