輝く3つの影【2】

おめでとうを君に ページ25

ru(高校生)



ru「あと10秒…」

机にかけてある時計と絶賛にらめっこ中。
片手には携帯を持って。

ru「3、2、1…送信っ！」

予め開いておいたトークに予め打ち込んでおいた“お誕生日おめでとう！大好き！”という文字を0:00になった瞬間にシュポッと送る。

ru「絶対僕が1番でしょ、っていうか1番以外取ったことないし」

でかした、自分。と自画自賛しているとシュポッとお返しのメールが来た。
そこには“ありがとう、今年もラウが1番だったよ”の文字。やったー！1番だ！

1番が取れたのが嬉しくて、思わず通話ボタンをタップして携帯を耳に当てた。3コール目の途中でブチッと切れて生活音が聴こえる。

ru「蓮くんっ！誕生日おめでと！」
mg『はは、わざわざ電話まで。ありがとう、ラウ』
ru「今年も僕が1番？」
mg『うん、今年も。毎年ありがとう』

2月16日、大好きな蓮くんの17歳のお誕生日。
この日だけはいつも日付が変わる前に寝ちゃう僕でも頑張って起きて誰よりも先に1番を言うという自分の中でのルール。しかも、今年の誕生日は蓮くんと付き合って初めての誕生日だから、尚更1番取りたくて。

ru「ふへへ、17歳になってすぐ蓮くんの声」
mg『いつも俺の声聴いてんじゃん(笑)16も17もそんなに変わらないっつーの』
ru「変わらないけど！いいの！蓮くん、明日プレゼント渡すね！」
mg『うん、楽しみにしてる』

蓮くんの甘くて低い声を聞いてたらだんだん眠くなってきてふわぁっと大きなあくびをした。

ru「れん、くん…」
mg『何？眠いの？』
ru「うん…」
mg『じゃあ寝な、ありがとうラウ。おやすみ』

あの後、僕は蓮くんにおやすみ返しをして寝たのか記憶にないくらいすぐ落ちた。



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そして翌朝、僕と蓮くんの家の真ん中にある公園でいつものように待ち合わせ。今日は僕の手には大きいリボンがかけられた包が1つ。

ru「あ！蓮くん！」
mg「ラウ、おはよ」
ru「おはよ！お誕生日おめでとう、はいこれ」
mg「うお、すげぇ。毎年ありがとう、見てもいい？」
ru「うん、開けて開けて」

蓮くんにプレゼントを渡したら嬉しそうな顔。
超可愛い、はぁ、大好きがまた増えたよ、蓮くん。

mg「うわ、スパイクじゃん！かっけぇ！」

今年の誕生日プレゼントはサッカー少年の蓮くんのために選ぶのに2時間はかかったサッカーシューズ。
黒を貴重として所々白が入ってるやつ。
ボソッと、新しいスパイクが欲しいと言っていたのを僕は聞き逃さなかった。




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