輝く3つの影【2】

Happy Valentine！ ページ20

fk



ソワソワ、ソワソワ。
クラスの男どもが女子を見ながらソワソワしている。
と言うのも、今日は2月14日。バレンタインだから。

チョコを貰えないかとわかりやすくアピールしてるのが何とも言えない、とってもカオス。
そんな教室でバスケットボール指で回すなよって話。

まぁ、そんなことは置いといて。
今、俺は教室の隅の方でマブのなべと1学年後輩の阿部ちゃんとコソコソ会議。

nb「その、やっぱ手作りチョコってキモい…かな」
ab「キモくはないと思うよ、だって昨日調べたらほとんどの女子が手作りの渡してるらしいし」
fk「つうか、今から迷ったって作って持ってきちゃってんだから遅いでしょ」

そう、俺らは別の意味でソワソワしている。
俺、なべ、阿部ちゃんにはちゃんと恋人がいて。
相手は男で、俺らも男。でも、ここの3人は所謂“彼女”側なわけだから各々彼氏にチョコを渡そうと。
そういうこと！(適当)

実はここの3人で数日前、阿部ちゃん家に集まって手作りのチョコのお菓子を作った。
本当、阿部ちゃんの母ちゃん。キッチン、あんなんにしてごめんなさい。

nb「ふっか、いつ渡す？」
fk「やっぱ帰りかな、いつも一緒に帰ってるし自然とバレンタインの話に持ってったとこで」
ab「あー、一緒に帰れるのいいなぁ。佐久間、今日に限って部活に出るらしいからさ」
nb「涼太、逆にチョコ渡してきそうじゃない？」
fkab「分かるー…」

こんな、盛り上がらない女子会(？)
何で、チョコ渡すだけなのにこんなにも悩まなきゃいけねぇんだよ…。

そして虚しくも鳴ってしまうチャイム、俺以外の2人はまだしっくりした顔をしないまま教室に戻ってった。



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