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30分足らずで処置室から医者が出て来た。
付き添いで来ていた山田と高木は不安そうに伊野尾のことを医者に聞いた。
｢残念ですがお子さんは……｣
医者の言葉に山田も高木も意味が分からず山田は
｢子供のできない体になったってことですか？｣
と聞いた。
｢それは大丈夫です。｣
医者に言われますますワケが分からなくなった山田。
処置室に入ると眠っている伊野尾。
｢今回は血圧が高くなることなく安定してたのにね。｣
看護婦が独り言のように言い出した。
｢伊野尾くん妊娠してたんですか？｣
高木が聞くと看護婦は不思議そうな顔をしながら
｢えっ？知らなかったの？妊娠5ヶ月だったんだけど。｣
山田も高木も何も知らなかった。
｢検診の時3ヶ月ぐらいからつわりが酷いって言ってたんだけど。｣
｢普通に食事してましたよ。｣
｢でも山田が居ない日で何回か夕食いらないって言ったことあったかも。｣
｢毎回3ヶ月頃トイレで出血してるの見つけて産科に駆け込んで来てたんだけど、今回5ヶ月まで来たから私たちも喜んでたの。血液内科の先生たちも喜んでたわ。｣
そんな看護婦に山田は
｢流産の原因は？｣
と聞いた。
｢流産に原因なんて……安静にしていても、健康でも流産はする。でも今回は体調悪くても無理してたみたいね。過労の症状が出てる。｣
｢過労の症状？｣
｢山田。オレ電話してくるわ。｣
｢うん。お願い。｣
高木が処置室を出ると看護婦が山田の疑問に答えた。
｢妊娠するとね女性ホルモンがたくさん出るの。肉体疲労になるとホルモンバランスが崩れるのね。今、女性ホルモンの注射打ったばかりの妊娠してない状態にまで女性ホルモンの量が減ってるのよ。｣
｢それってそんなに悪いんですか？｣
｢それくらいなら母体自体には大きな症状は出ないけど、体は妊娠してないと勘違いしたのね。胎盤に機能が落ちて赤ちゃんに充分な栄養が行かなくなったのよ。｣
｢この30分足らずでよくそこまで。｣
｢今の技術はすごいんだから。お腹の赤ちゃんの処置は終わってます。点滴が終わったら帰れますんで。｣
看護婦は処置室を出て行き山田は伊野尾の側に椅子を置き座った。
｢やっぱいのちゃんのことわかんないよ。いのちゃんはどうしたいの？薮ちゃん助けたいの？それとももう諦めて最期の時まで薮ちゃんに寄り添おうって決めたワケじゃないよね。｣
山田はそう伊野尾に語りながら高木が戻って来るのを待った。
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Layla(プロフ) - 更新楽しみにしています！いのちゃん＞_＜がんばれ！ (2016年4月17日 2時) (
レス) id: 801c5de6c5 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - いつも更新楽しみにしています！早く伊野尾ちゃんに妊娠&出産してほしいです(笑)伊野尾ちゃんがんばれ！他のみんなもがんばれ！ (2016年2月16日 13時) (レス) id: 1ac7fc90e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有山 | 作成日時：2015年12月26日 1時
