つなぐ手と手 6 (ページ22)

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家に帰ると八乙女は一目散に部屋へ行った。

｢おかえり。｣

｢大ちゃん帰ってたんだ。……話しがあるんだけど。｣

山田は有岡をソファーに座らせた。

そして彩星を部屋のベビーベッドで寝かせると山田と岡本は有岡を挟む様に座った。

｢なになに？｣

｢大ちゃん落ち着いて聞いて。｣

山田は伊野尾の事を話した。

｢はっ？ウソでしょ？｣

｢なんでそんな事をウソつかなきゃいけないの？｣

｢それから、光くんも変なんだ。オレも山ちゃんもいのちゃんが階段から落ちた時の事聞いても何も言わないんだよね。｣

｢なんで？｣

｢知らないよ。オレも圭人も困ってるんだよ。なんか、ただ踏み外して落ちたって感じじゃなかったし。｣

｢そう。電話越しに聞こえたんだよ。光くんが救急隊の人に『誰かに押されたみたいに落ちて』って。｣

｢じゃあいのちゃんを押した人見たって事？｣

｢それがわからないんだよね？…………そろそろ夕食作るわ。今日雄也以外みんな家でご飯食べるって言ってたから。｣

山田はキッチンに立つと夕食の準備をはじめた。