つなぐ手と手 6 (ページ11)

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それから1週間後。

伊野尾の妊娠発表が行われることになった。

お昼前に事務所からマスコミ向けにFaxを送ったとの連絡がきた。

午後の情報番組を見ようとみなテレビの前に構えた。

あいにく、有岡と八乙女はヒルナンデスのためテレビ局の楽屋でテレビを見ることに。

中島は雑誌の取材のためリアルタイムで見ることが出来ない。

後のメンバーは全員テレビの前にいた。

昨晩から熱が出ている薮も無理してテレビの前にいた。

13時55分。

ヒルナンデスを見たまま、チャンネルを替えず見た。

番組冒頭で伝えられた伊野尾の妊娠報道。

祝福と共にドナーベビーではないかとの出演者の話しに薮が

｢やっぱそうだよね。オレもうそれしか手段ないんだ。｣

と言い出した。

｢薮ちゃん。なに言ってんの？いのちゃん薮ちゃんとの子供欲しくて頑張ったんだよ。｣

必死に誤魔化す山田に伊野尾が

｢山田いいよ。薮。オレ子供欲しくなったから妊娠したんだよ。でも、万外一の時は使う。初めから臍帯血当てにして妊娠したワケじゃないけど。｣

とほんの少しだけ正直に言った。

それでも薮は伊野尾の言葉を全て本当だととらえ素直に聞き入れた。

その後薮はかなり調子が悪くなり山田が運転する車で伊野尾付き添いの元病院へ行った。

そのまますぐ入院になった。

荷物を取りに帰って来ると知念と�木が不安げにダイニングテーブルで待っていた。

｢宏ちゃんは？｣

知念が聞くと伊野尾が病院で説明されたことを話し始めた。

｢白血球の数値が下がってるんだって。だから熱も出たんだってさ。｣

そういうとため息をついた。

｢伊野尾くん大丈夫だよ。薮くんまた元気に家に戻って来るから。｣

�木に励まされた伊野尾だがすごく不安な心境だった。