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｢ご家族の方ちょっとよろしいですか？｣
伊野尾は医者に別室へ連れて行かれた。
｢申し上げにくいんですが…………｣
一気に空気が重くなる。
｢お掛けになって下さい。薮さんの病状ですが、あまり良くありませんね。早いところ臍帯血移植をしなければ……ただ、今から妊娠していただいても出産までに10ヶ月……｣
｢先生。きっぱりと言ってください。｣
｢それでは申し上げます。薮さんはもって後半年と考えて下さい。｣
伊野尾は青ざめた顔をして立ち上がった。
｢本当に抗がん剤が使えないんですか？｣
｢……アレルギー反応が出ている以上は……抗がん剤を使えれば容態も回復すると思いますが……｣
｢先生？今さっき人工受精して子宮に入れて来ました。順調に行けば薮は助かりますか？｣
伊野尾は今にも泣きそうな震える声で医者に聞いた。
｢それはなんとも。すぐに悪化するかもしれませんし、このままで1年生きるかもしれません。｣
話がひとしきり終わると伊野尾は薮が運ばれて行った病室へ向かった。
｢いのちゃん？｣
伊野尾が病室に入ると山田と彩星と山田母が薮の側に居てくれた。
｢ありがとう。｣
｢うん。っで、薮ちゃん何だって？｣
｢うん…………。｣
｢何？そんなにやば……｣
｢ちょっと涼介。慧くんの気持ち考えなさいよ。｣
｢あっ、ごめん。｣
｢ううん。実はね、あまり状態が良くない。すぐに臍帯血移植しないと余命半年だって。｣
山田と山田母は言葉を失った。
｢うぅっ……｣
｢薮？｣
｢薮ちゃん？｣
薮が目を覚ますと山田母はすぐにナースコールを押した。
しばらくすると看護婦と医者がやって来た。
｢薮さんわかりますか？｣
医者が薮に声をかけた。
｢…………はいっ。｣
看護婦は薮につけられた心電図の様子を見ながら血圧を計った。
｢先生。ちょっと血圧が低いですね。｣
看護婦が医者に伝えると医者は看護婦に血圧を上げる点滴をするよう指示した。
点滴をされ薮が落ち着くと看護婦から
｢今日の面会は以上にしてください。｣
と言われ病院を後にした。
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Yui(プロフ) - ちょっと読みにくいので何行か間を空けた方がいいと思います！ (2015年6月30日 21時) (
レス) id: f4c4f5a564 (このIDを非表示/違反報告)
りんご@080(プロフ) - 一気読みしました。とても面白いです。更新頑張ってください、応援してます！ (2015年6月24日 22時) (レス) id: 023a96bf00 (このIDを非表示/違反報告)
蘭菜(プロフ) - 楽しみにしてます！頑張ってください！！！ (2015年6月19日 21時) (レス) id: e3707e6b60 (このIDを非表示/違反報告)
苺love - 移行おめでとうございます!これからも頑張ってください(^.^) (2015年5月30日 21時) (レス) id: 3b8a0ea1f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有山 | 作成日時：2015年5月26日 23時
