つなぐ手と手 3 (ページ8)

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｢本当にいいの？｣
山田は伊野尾に問いただした。
｢取られないだけマシ。｣
伊野尾は笑顔で外に出た。
｢いのちゃんホント平気かなぁ？｣
岡本は山田に聞いた。
｢平気じゃないでしょ。｣
山田は無駄に元気な伊野尾を心配した。
｢ねぇ？山ちゃん。7会までの間時間ある？｣
｢あるよ。｣
｢ちょっと話が……｣
岡本は山田を連れ近くのファミレスに行った。
｢話しって？｣
言いにくそうな岡本。
｢なにか食べて良い？｣
｢うん。｣
山田がメニューを注文すると岡本はまた口を開きはじめた。
｢あのさぁ……そのさぁ。｣
｢何？圭人変だよ。｣
｢あっ、そう。何で“僕”から“オレ”に言い方変えたワケ？｣
｢別にオレ変えて……あぁ、今……｣
そして岡本はついに意を決めて本題を切り出した。
｢山ちゃん。素直な気持ち教えてよ。｣
｢素直な気持ちって？｣
｢裕翔のことまだ好きなんでしょ？｣
｢うん。大好き。｣
｢ならオレは大ちゃんと離婚した方が良いと思うけど。｣
そんな岡本に山田は
｢もう離婚したから大丈夫だよ。｣
とあっさり言った。
岡本は理解が出来なかった。
｢全然意味わかんない。何言ってんの？｣
｢だから、離婚したの。｣
｢惚けてる？スピード離婚じゃん。｣
｢そうだね。でも、裕翔くんがのことまだ好きなら離婚した方が良いと思ってたんでしょ？｣
｢それはそうだけど……｣
｢もぉー。圭人が変なこと言うから赤ちゃん動かなくなった。｣
頭の中がパニックになった岡本は
｢don't understand(分からない)山ちゃん？裕翔？｣
と、くちゃぐちゃな言葉で話しはじめた。
｢はっ？良く分からないけど裕翔くんも大ちゃんもオレも3人とも悪いから離婚になっちゃった。｣
｢三角関係？｣
｢うーん？裕翔くんはどうなんだろう？裕翔くんがオレに恋愛感情抱いてなかったらただの離婚だよね？｣
｢知らないよ。ってか理由は？｣
そこへ山田が注文したカルボナーラが届いた。
｢いただきまーす。｣
｢山ちゃん。｣
｢話さなきゃダメ？｣
｢別に今じゃなくていいよ。この後の7会で話しても。｣
そう言って岡本はドリンクバーを注文しコーヒーを飲みながら山田が食事するのを見ていた。
｢そうだ。薮ちゃんの転院先の病院に顔出してから行かない？｣
｢良いけどなんで？｣
｢だって何も言わずに来ちゃったし。本当なら転院先までついて行くつもりだったワケだし。｣
山田が食事を済ませると薮が転院した病院へ向かった。