つなぐ手と手 3 (ページ21)

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薮の体調が良くも悪くもならないまま12月31日を迎えた。
今はカウトダウンコンサートに参加するため東京ドームの控え室にいた。
今回、妊婦と病人が居るためJUMPはメインステージでずっと座って歌う演出になった。
｢大丈夫かなぁ？まだオレの病気公表してないのに。｣
｢大丈夫だよ。だから全員で座るんじゃん。｣
八乙女に言われて安心する薮の横で伊野尾はダルそうに座っていた。
｢いのちゃん大丈夫？｣
知念が伊野尾の顔を覗き込み心配した。
｢倦怠感だから心配しないで。｣
そう言う伊野尾に薮が
｢ウソ付くなよ。｣
と言ってみんなに話した。
｢実はいのちゃんと子作りしてんだよね。｣
みんな驚いたが応援してくれた。
そして伊野尾は正直に事情を話すと寝かせてくれた。
｢いいの？オレがソファー独り占めになっちゃうよ。｣
申し訳なさそうに言う伊野尾に八乙女が
｢気にすんなって。みんないのちゃんがソファー独り占めしても“いいの？”｣
と聞くと全員声を揃え
“おっけー”
と答えた。
｢もぉー。それオレの。｣
みんなは気を使いメイク台のイスに座ったり、部屋から出て行くなど伊野尾がゆっくり出来るようにした。
山田と有岡と薮は後輩のSexy Zoneの楽屋に行った。
控え室には佐藤勝利しか居なかった。
佐藤に事情を話すと
｢そうなんですね。どうぞゆっくり使って下さい。今風磨くんどっかに行ってるし、健人くんシャワー浴びてるんで。｣
と言ってくれた。
｢でも、なんでここなんですか？｣
｢嫌だ？｣
｢そんな。大先輩の薮くんのお願いですもん。｣
4人仲良く話してるとシャワーを浴び終わった中島健人がやって来た。
｢えっ？マジ？どうしたんですか？｣
健人にも事情を説明した。
｢伊野尾くん大丈夫なんですか？｣
｢大丈夫だよ。いのちゃん素直だから本気で体調悪かったらちゃんと口に出して言うし。｣
薮は嬉しそうに言った。
｢なんか、薮くん幸せそうでいいなぁ。｣
｢えっ？勝利幸せじゃないの？｣
｢この間失恋したんですよコイツ。｣
｢ちょっと、健人くん。｣
｢大丈夫。勝利ならまた良い人見つかるって。｣
山田は有岡を見てそう言った。
｢じゃあボクそろそろ関係者席行くね。｣
｢うん。｣
みんなで勝利を見送った。
｢オレらも戻る？｣
薮が山田と有岡に聞くと有岡が
｢まだ時間あるけど戻って大丈夫？｣
と聞いた。
｢そうだね。まだいのちゃん寝てるよね？｣
山田も戻ることを拒んだ。
だが、Sexy Zoneに迷惑だと3人はSexy Zoneの控え室を出た。