つなぐ手と手 3 (ページ16)

今日:4 hit、昨日:3 hit、合計:56,148 hit

3-16 ページ16

｢そういえば知念遅いね。｣
八乙女がなかなか来ない知念を心配した。
｢そうだね？裕翔くんも圭人も遅いね。｣
｢涼介。光くんに任せてゆっくりしなよ。｣
｢大ちゃん大丈夫だよ。｣
最近の山田は腰痛が酷かった。
｢山ちゃんごめんね。オレが山ちゃんの料理食べたいとか言ったから。｣
｢何言ってるの？凄く嬉しいんだからいいの。｣
｢ありがとう。｣
｢知念と裕翔来たよ。｣
伊野尾が知念と中島が来たと伝えた。
それと同時に。
｢薮。今、書留の手紙が届いたよ。早稲田大学から。｣
伊野尾が薮に封筒を渡した。
薮が中を開けると休学届けの紙が入っていた。
｢薮、休学するの？｣
｢うん。この間大学から電話が来て『最近授業を受けてないみたいだしレポートも途絶える』って。病気の事話したら休学を勧められた。｣
｢こんばんは……えっ？何この雰囲気。｣
中島はリビングの出入り口で止まった。
｢ユッティーどうした…………何この雰囲気。｣
知念も重い空気を感じた。
｢休学の相談してくれてもいいじゃん。｣
｢ごめんねいのちゃん。でも、いのちゃん疲れた顔してたから。｣
薮が素直に言うとみんな声を揃えて
｢確かに｣
と言った。
｢まぁーいいや。休学しようとどうだろうと薮との関係は変わらないしね。山田お腹空いた。まだ？｣
｢あっ、うん。もう少し。｣
怒ったり冷静になったり良く分からない伊野尾にみんな困惑していた。
それから少しし、料理が出来上がった頃岡本はやって来た。
｢ごめん。遅くなった。｣
こうして薮の退院祝いは幕を開いた。