つなぐ手と手 3 (ページ14)

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伊野尾は大きく息を吸うとまた話し出した。
｢実はさぁ。薮なんだけど……治療にとても大切な薬がアレルギーみたいなんだ。｣
｢えっ？じゃあ薮ちゃん死んじゃうの？ってか薮ちゃん知ってんの？｣
｢涼介落ち着きなよ。っで、薮ちゃんどうなるの？｣
｢薮は何も知らない。でね。助けるには自分の血を引いた子どもの臍帯血が必要だって。｣
｢血縁者の骨随じゃダメなの？｣
山田はドキドキしながら聞いた。
｢血縁者は適合率があるし、薮の血液型が血液型だし。臍帯血なら100%適合するらしいんだ。｣
｢なんか良く分からないけどつまり子ども作りたいの？｣
｢さすが山田。でも、薮のサポートしながら子宮の移植手術するには無理がある。｣
｢いのちゃんずるいなぁ。オレらに感謝してからのお願いとかさぁ。でも、涼介は大事な時期だよ。｣
｢わかってる。だから家の事は山田が。薮の事は大ちゃんに任せるよ。｣
伊野尾は2人にしっかりお願いをした。
だが、山田が
｢薮ちゃんには何て話して子ども作るワケ？｣
と聞いた。
｢『山田たち見てたら子ども欲しくなった』ってウソ付く。｣
｢痛いの嫌じゃないの？移植した後数日腹痛が治まらないけど平気？｣
｢薮が助かるなら……｣
｢いのちゃん頑張て。他の事はオレと山田に任せといて。｣
｢ありがとう。｣
そして伊野尾は子作りを開始することにした。