つなぐ手と手 3 (ページ11)

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八乙女は個室を飛び出し隣の7会が行われている個室へ向かった。
｢わぁーっ……光くん？｣
7全員口を揃えて同じことを言った。
｢山田さぁ。『裕翔くんのとの間には特別な関係がある』って。それで大ちゃんを悲しませたくないとか、大ちゃんは2番目の人だったってこと？｣
八乙女は感情が爆発し山田の肩を掴み揺すりながら訴えた。
�木はそんな八乙女の肩を掴み山田から引き離した。
｢何するの。｣
｢光くん。気持ちはわかる。オレだって二股かけてたまま大ちゃんと結婚した山田を殴りたいよ。でも妊娠中だから抑えなきゃ。｣
｢あっ…………山田ごめん。｣
｢うんん。謝らなきゃいけないのはオレだよね。｣
｢オレもごめん。離婚したこと今の今まで黙ってて。｣
｢ねぇ。｣
空気の悪い中伊野尾が口を開いた。
｢とりあえずみんな中に入ろう。｣
戸を閉めると伊野尾は話しはじめた。
｢どんな理由があるにしても別れたくないと思ったら離婚届け出さないワケだし、離婚を問い詰めるのやめてこの先の山田のサポートをどうするか決めなきゃ。｣
伊野尾の発言にみんな考え込んでしまった。
｢どんな時でも手を離さないことが好きって気持ちを強く持つ秘訣だよね。だからって片手に1人ずつ抱えるのは欲張りだから結局どちらかを失わなきゃならなくなる。｣
そう山田が突然つぶやきだした。
｢山ちゃん？｣
中島はそっと山田の名前を呼んだ。
すると山田は急に泣き出しながら
｢裕翔くんはずるいよ。オレに恋愛感情もないのに付き合ってくれたり、傍に居たり。｣
｢……ごめん。｣
｢大ちゃんに告白されて裕翔くんからの気持ち断ち切れるつもりで付き合った。そしたら大ちゃんのこと好きになって。でも裕翔くんへの気持ちは断ち切れなくて。それで…………｣
｢涼介もういいよ。｣
有岡は叫んだ。
中島も岡本も泣き出した。
｢オレは涼介がオレの幸せ願ってくれたのが嬉しくてその優しい気持ち無駄にしたくないっていうバカな理由でハンコ押した。｣
｢うん。｣
｢でもやっぱヤダ。涼介と赤ちゃんと3人家族で居たい。｣
｢でも、オレ、裕翔くんのこと好きだよ。｣
｢もうそんなこと気にしない。好きと愛し合ってるは別物って考える。｣
そんな有岡の発言に伊野尾はハッとした。
｢大ちゃーん｣
山田は泣きながら有岡の元へ行き抱きついた。