つなぐ手と手 3 (ページ1)

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｢もしもし山田？ねぇ、どーなってるの？｣
｢何が？｣
｢離婚ってバカじゃないの？これから子ども生まれんのに。｣
｢へぇー。いつも適当で何考えてるか分からないいのちゃんでもオレのこと説教するんだ。｣
なんか機嫌の悪い山田。
｢あっ、ちょっ、裕翔くん…………｣
｢もしもし。｣
山田に替わり中島が電話に出た。
｢いのちゃんまた後日にして。山ちゃん今お父さんに雷落とされてイライラしてんだよね。｣
｢なんで。怒られて当然だよ。｣
｢違うんだよ。『最初から中島くんと結婚すれば良かったのに』とか言われちゃって。｣
｢同性婚の法律が確定した当初2人付き合ってたもんね。｣
｢付き合ってたってか山ちゃんの片思いね。あっ。ちょっと山ちゃん……｣
電話がまた山田に戻った。
｢何好き勝手言ってるの？｣
｢大ちゃんがコンサートのMCで突然山田に付き合ってもないのにプロポーズしちゃって。｣
｢そう。とりあえず付き合ってる間に大ちゃんに好きを洗脳されて。｣
｢洗脳って。｣
｢いいでしょ？別に離婚したからって誰にも迷惑かけてないし、この先もかけない。｣
｢山田。そういうことじゃなくて…………｣
｢じゃーね。｣
山田は伊野尾が話してる途中で電話を切った。
｢はぁー？もう知らない。｣
伊野尾はイライラしながら棚にあったメロンパンを持って部屋へ行ってしまった。