つなぐ手と手 8

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｢保育園にあるピアノと違う。｣

彩星は伊野尾のピアノを見てガッカリした。

｢保育園にあるのはグランドピアノ。これはアップライトピアノ。大きさは違うけど同じだから。｣

彩星が鍵盤を1つ押した。

｢ねぇ？なんか弾いて。｣

｢何がいいかな？｣

伊野尾は引き出しからJUMPバンドの楽譜を取り出した。

｢Magic Power弾いてあげる。｣

伊野尾が弾くと彩星は大人しく聴いていた。

｢慧くん。上手だね。彩星にも教えて。｣

｢いいけど、その前にお昼食べよう。｣

お昼は食べると彩星は眠くなったのか伊野尾が食器を片付けてる間に寝てしまった。

伊野尾もソファーに座りのんびりしているとまた無意識に今度はキッチンにあったホットケーキミックスを用意しホットプレートを出し小さなホットケーキをたくさん焼き出した。

ホットケーキの生地がなくなると新しい小麦粉全部をボールに入れ使いかけのベーキングパウダーを入れまた生地を作って焼き出した。

｢うわぁー、ホットケーキだー。｣

彩星が起きたことにも気付かずひたすらホットケーキを焼いていた。

｢ねぇー。慧くん。こんなにどうするの？｣

全然彩星の言葉に反応しない。

全てを作り終えると彩星は伊野尾の腕にしがみついた。

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