Endless Game ～始まる戦い～ (ページ28)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:42,592 hit

story60 ページ28

雅紀side

僕が一番安心する温もり

今の僕にはこれくらいしか出来ないから

抱きしめたままの潤が
さっきよりも大人しくなった

そっと力を抜けば、潤は泣きだした

潤「ごめ、なさ……っ」

雅「んーん、いいの。謝らないで」

潤「ごめんなさい……っ」

雅「気づけなかった僕も悪いから……」

泣きながら謝り続ける潤

僕が寝てる間に、
潤の中で何かが起きたことは明白だった

だけど何かまではわからない

雅「ねぇ、潤くん。僕が寝てる間に何があったのか、話してほしいな」

潤「……っ、」

雅「何があっても、僕は潤くんの味方だよ？」

潤「ち、ちがう……っ」

雅「潤くん…？」

未だ僕の腕に治まったままの潤

何かを呟きながら頭を抱えだした

不思議に思って顔を覗き込むと、
目をギュッと閉じて僅かに震えていた

雅「じゅん、どうしたの…？」

潤「ちが、うも……っ」

雅「ねぇ潤っ！僕のことを見て！」

潤「ちが、う……っ、……ちがう…っ！」

雅「わっ…！」

ドンッと突き飛ばされて、
背中の痛みに思わず顔を顰めた

ハッとして辺りを見回すと、
既に潤は姿を消していた

施錠されていた扉は僅かに開かれ、
潤が飛び出したことを物語っていた

でも扉を開けた音はしなかった

……っ、まさかっ！

雅「ダメだよ潤くんっ！そのチカラを使ったら！」

後先なんて考えず、
僕も潤を追って飛び出した

いつかの失敗を思い出しながら……