Endless Game ～始まる戦い～ (ページ27)

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story59 ページ27

雅紀side

フッと目を開ければ、眠る前と変わらない景色

暗くて狭くて、何もない空間

意識が完全に覚醒した時、
背中に当たる冷たく硬いことに気がついた

雅「あれ…？じゅん…？」

確かに眠る前は、
すぐ傍に潤がいたはずなのに…

覚醒したばかりの頭では、
全てを理解するまでに時間が掛かった

雅「えっ…？」

暗くてすぐにはわからなかったけど、
よく見ればそれは確かに潤だった

まるで追い詰められたように、
壁に背を押し付けて、
それでも後ずさりをする悲痛な姿だった

元々大きな声を出すのが得意じゃない君は、
それでも精一杯に僕を見て、拒絶していた……

僕を見つめる瞳は今までにないくらい
不安と恐怖、絶望に押し込められていた

雅「じゅ、ん…っ」

潤「いやだ……っ、来ないでっ…！」

雅「僕、だよ…？なん、で…っ」

嫌われてしまったのだろうか

僕が眠っていた間に、
君に一体、何があったの…？

ギュッと目を瞑って、両手で耳を塞いで、
僕から逃げるように体を縮こませている

雅「ねぇ、潤くん。どんなことがあっても、僕が潤くんから離れることはないから、安心してね…」

潤「…っ、ぼくは…っ」

雅「きっと智くんたちも同じだと思うよ」

潤「ちがう…っ、めーわくっ、だも…っ」

『迷惑』
たった二文字なのに、
不安な心には大きなダメージを与える、
とても恐ろしい言葉

『きっと』や『絶対』なんて、
そう簡単に信じられなくなるくらいに

雅「潤くん…」

潤「や、やだ…っ」

雅「大丈夫だよ。僕が一緒だから…」

潤「…っ」

『大丈夫』なんて、
軽々しく言えないけど…
それでも僕は信じてる

ゆっくり近づいて、
そして、そっと抱きしめる

これが一番安心するんだ