Endless Game ～始まる戦い～ (ページ24)

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story56 ページ24

雅紀side

呪印…その名の通り、呪い

高度な治癒能力か、解除の能力しか
今のところの解除方法は無いとされている

僕の治癒能力はそこまで高度じゃない

治癒能力者なら誰でもできる傷の治療しか…

潤「っ…、ぁ」

雅「や、やるっ！だからもう喋らないで！」

これ以上、無理に声を出そうとすれば
本当に声が出なくなってしまう

そう思って、必死に止めた

雅「ちょっと時間かかると思うけど…」

潤「…っ」

雅「大丈夫。絶対に大丈夫だから」

何の大丈夫なのか、
それは自分でもわからなかった

それでも無言の空間は嫌で
根拠も無い大丈夫を口にしたのかも

雅「…いくよ、っ」

潤「…、っ…」

雅「はぁ、はぁ…っ」

頭の中でイメージする

声帯にくっ付いた紙を剥がすイメージを

慎重に、繊細に…

チカラを思いっきり解放して、
今まで出したことのないくらいに

雅「う、くっ…」

潤「ごめ、ね…」

雅「もう少し、だからっ」

声が戻りかけてる…

僕、成長してる…

嫌いだった能力で、大事な人のこと守れてる…

雅「終わった、よ…っ」

潤「あり、と…」

雅「くっ…」

潤「…！」

全身から吹き出る汗と、
これまで感じたことのない疲労感

声が戻った安心から力が抜けて、
倒れかけた僕をギリギリで潤に受け止められる

潤「休んで、いいよ？」

雅「じゃあ、ちょっとだけ……」

潤「ん。おやすみ…」

極度の疲労感と脱力感に耐えられず、
潤の言葉に甘えて目を閉じる

抱きしめられて感じる温もりに安心する

今いる冷たい空間を、忘れるくらいに