四神物語＊ars (ページ8)

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7 sideJ ページ8

「しつれーしまっす…」

軽くノックした後、そーっとドアを開ける。

ただ落とし物を届けにきただけなのに
俺の心臓はバクバクいっていた。

生徒会室に入った途端、
俺に注がれる三人の目。

「あっ、潤くん！」

一番最初に声をかけてきたのは和だった。

「なに、ニノの友達？」

爽やかなオーラで和にそう聞いたのは
生徒会長の櫻井翔センパイだ。

「そうですよ。潤くんどうしたの？」

「あ、えっとこのメガネ拾って…」

「あーーー！それ俺のーーー！！」

相葉さんがすかさず駆け寄ってきた。

「ありがとー！今これ無くて困ってたんだよねー」

相葉さんはよっぽど嬉しかったのか、
メガネを持ったまま
くるくると踊り出している。

もうポッケなんかに入れないで下さいねー
って言ってる和の声も聞こえてないみたいだ。

「雅紀、良かったね。君もありがとう。えっとー…？」

「あ、松本潤です」

「潤くんか。ほんとにありがとう」

「いえ」

櫻井さんはにこっと俺に笑いかけてくれたけど
俺はやっぱり少し居心地が悪くて
早くここを出ようと考えていた。

「じゃあ俺はこの辺で…」

そう言って帰ろうとした時、
さっきからくるくる回っていた相葉さんが
俺の背中にぶつかった。

「「あ」」

そのせいでバランスを崩した俺は
正面にいた和に倒れ込む。

ここでハプニングキス！みたいなのがあったら面白かったんだろうけど
そんなことあるわけもなく。

キスの代わりに俺の右手が和の鼻に直撃した。

「かっ…和！ごめん！大丈夫!?」

幸い手は開いていたから骨が折れるとか
そういうことは無いと思うけど…

「まずい」

そう櫻井さんが呟いたのと同時に。

ボンっと大きな音がした。

「え………？和………？」

そして俺の前に立っていたのは。

和ではなく、巨大な白い虎だった。