昨日、君といたこと。【潤VS雅紀】 (ページ11)

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▽, 11 He ilkes. ページ11

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”放課後、渡り廊下三階に来てください。”

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そう書いた紙切れ。

名前は書いていないケド、誰かなんてすぐわかる

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この、くせのある字。

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小さい頃から見てきた字。

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雅紀、だよね？

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まさか、告白かな？とか

期待しちゃ、だめとか

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いろいろ考えてたら、

あっというまに放課後になってしまった。

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鳴り止まない心臓。

この、ドアの向こうに雅紀がいるんだ。

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がちゃっ

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「…いない、じゃん。」

渡り廊下には、誰もいなくて

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ただ、風がびゅーびゅー吹いてて

あたしが、一人でポツンと立っているダケ。

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「もぅ、かえるっ」

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帰ろうとドアノブに手をかけようとした瞬間

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ピタ、と足が止まって

あと5分だけー・・・

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あと、10分ー・・

あと、15分ー・・

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いくら待ってもこないから本気で帰ろうと立ち上がった瞬間

汗で、ビショビショの雅紀が立っていた。

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雅紀「ハァ、ハァハァ。呼び出したの俺なのに、ごめん！」

「・・雅紀、らしいよ。笑」

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雅紀「…あの、さ？」

「なぁに？」

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雅紀「俺ね、なんでも大宮に言ってきたよね」

「うん。」

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雅紀「俺の、秘密もテストの最低点も全部」

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「そうだったね・・。」

心臓はドキドキしてて

雅紀は

雅紀じゃないほど真剣で

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でも、優しい笑顔は前から変わらなくて

雅紀「でも、一つダケ。内緒にしてたことあるの」

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「・・あたし、に？」

雅紀「そ。」

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雅紀「俺、Aがすき。」

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とびっきりの笑顔で

あたしを抱きしめる雅紀。

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嬉しいよ

本当に、嬉しいんだよ。

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でも、ね。

・・・心臓も、ずっとドキドキしてるよ？

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なぜか、潤くんの顔が浮かんでくるの・・。