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「とりあえず、みんな仕事に行きな。たいちゃんに見てもらうようにするから、ね。」
一郎は兄弟たちにそう言い聞かせると、太一に連絡を取り、三郎の部屋へと上がっていく。
二郎も四郎も五郎も心配そうな表情を浮かべていたが、いつまでも家にいるわけにもいかず、それぞれ支度をはじめた。
一郎が部屋に入ると、三郎が携帯を耳元に置いたままの状態で寝ていた。
ゆかに電話をした後、携帯を耳元からどかすのも億劫だったのだろう。
その姿が三郎の体調の悪さを物語っていた。
しばらく部屋で三郎の様子を見ていると、呼び鈴が鳴る。
1階に降り、玄関を開けると、午前中の診察前の太一だった。
本当は昼の時間に来てくれる予定だったが、予定を早めてくれたらしい。
家にあがると、すぐに三郎の部屋へと上がっていく。
｢さぶ、大丈夫か？｣
｢……ん…｣
｢ずいぶん辛そうだな。ちょっと血圧はかるぞ。｣
三郎の血圧をはかる太一。
計測された血圧をみて、顔をしかめる。
まぶたをめくり、胸の音を聞く。
｢風邪の方はよくなってる。
ただちょっと血圧が低すぎるな。
原因がわからないと薬出せないから、一度きちんと検査しよう。
動けそうになったら、昌宏のとこ行け。｣
そう言うと、三郎の頭をそっと撫でる。
「……ありがと…」
三郎の声を聞くと、太一は立ち上がりそっと頭を撫でて部屋を後にする。
「さぶちゃん、中学校の時みたいな感じかな？」
部屋の外で太一と一郎が話している。
「検査してみないと何とも言えないけど、その可能性が高いな。
最近、無理してたのか？」
「うーん。夏は結構忙しくしてた。やっと落ち着いてきて、そろそろ体調崩すかなとは思ってたんだけど。
もっと早く止めてあげればよかったな。」
「おまえが後悔してどうする。
体調崩しても、お前らみたいにちゃんと愛情もって世話してやるやつがいれば、絶対よくなるから。
午後になれば、少しは動けるようになるだろうから、病院連れて行ってくれな。」
中学の頃の三郎は、ずいぶん長い間、今日のような症状に悩まされていた。
今回もまた、長い間三郎が苦しむのかと、暗くなってしまった一郎に、太一が渇を入れる。
太一が嵐田家を後にすると、一郎は三郎が起きてきたらすぐに病院に連れていけるよう、朝食の後片付けや掃除を始めた。
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7322(プロフ) - yuiさん» yuiさん！コメントありがとうございます！大好きと言っていただけると本当に嬉しいです！もうまもなく完結いたしますが、最後までお楽しみいただけたらと思います♪ (2013年5月25日 23時) (
レス) id: ee69312e20 (このIDを非表示/違反報告)
7322(プロフ) - アリスさん» アリスさん、コメントありがとうございます！今回は私が大好きなさぶくんとしろちゃんの絡みが多くなるかなと思います！もちろん他の兄弟の絡みも含め、ほのぼの優しいお話を書けたらと思います！またよろしくお願いします！ (2013年4月11日 21時) (レス) id: ee69312e20 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 新章、嬉しいです。四朗くんのちょっとした変化に気づいちゃう三郎くんが、なんだか・・もう！！ってなります。敏感なんだろうな〜って。これからも素敵な兄弟愛のお話、楽しみにしています☆ (2013年4月10日 22時) (レス) id: 290a5b010d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みぃ | 作成日時：2013年4月10日 21時
