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「…さむっ………ん……？」
薄着で外に出た三郎は思わず身震いする。
ベランダ側には車が2台すれ違えるくらいの道路がある。
その道路に停まっている1台の車。
その車の持ち主が、車の外に出てアパートの方を見ている。
三郎はその人と目があった気がした。
ところが、三郎が目があったと思うとすぐに、その人物は車に乗り込み、車は発車してしまった。
三郎は急いで玄関にまわり、外に出て車の行き先を探すが、すでに
大きな通りに出てしまったようで、見つけることができなかった。
夕方、四郎は駆け足で家に向かう。
昼に三郎に宛てたメールに返信がないのだ。
何かあったのではないかと心配で仕方がない。
「ただいま〜」
四郎が小さな声でそうつぶやき、家に入ると、家の中は真っ暗。
四郎はまさかどこかに出かけたのかと一瞬不安になるが、三郎の布団に近づくと、その中できちんと寝ている姿を見つけ、安心する。
三郎が起きないように、そっと熱を計ると37.6度。
「…よかった。」
四郎は小さくつぶやくと、ぬるくなってしまったタオルを氷水に浸して、三郎のおでこに乗せてやる。
「……ん…？」
冷たかったのか、目を覚ました三郎。
「…あれ？……もう夜？」
「うん。ぐっすり寝れた？」
一瞬、玄関にチェーンをかけていたはずなのに、なぜ四郎が家の中にいるのか理解ができなかったが、謎の車を追った後、部屋に入ったときにかけ忘れたことを思い出す。
「さぶくん？」
「……あぁ、そうみたい。ごめん、メールも返してなかったね。」
三郎は枕元においてある携帯で時間を確認すると、四郎から昼にメールがきていたことを確認する。
「ぐっすり寝れたならよかったよ。昨日はごめんね。
熱も下がってきたし、もうちょっとだね。」
「……ねぇしろ……明日…帰ろう？…帰りたい。」
明日は金曜日。
四郎の大阪への出勤は金曜日までなのだが、なかなか熱が下がらない三郎の体調を考慮し、土曜日か日曜日に帰るつもりだった。
「何かあるの？」
「……そういうわけじゃないんだけど……自分のベッドの方がいいなって…」
ハッキリしない三郎の答えに違和感を覚えたが、自分の家の方がゆっくり体を休められるのは事実だろう。
「じゃあ、明日の朝、熱が下がってたら、夜の新幹線で帰る？」
「しろも一緒？」
「あぁうん。そのつもりだけど。」
四郎の答えに、三郎は満足そうににっこり微笑むと、再び目を閉じ、眠ってしまった。
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7322(プロフ) - yuiさん» yuiさん！コメントありがとうございます！大好きと言っていただけると本当に嬉しいです！もうまもなく完結いたしますが、最後までお楽しみいただけたらと思います♪ (2013年5月25日 23時) (
レス) id: ee69312e20 (このIDを非表示/違反報告)
7322(プロフ) - アリスさん» アリスさん、コメントありがとうございます！今回は私が大好きなさぶくんとしろちゃんの絡みが多くなるかなと思います！もちろん他の兄弟の絡みも含め、ほのぼの優しいお話を書けたらと思います！またよろしくお願いします！ (2013年4月11日 21時) (レス) id: ee69312e20 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 新章、嬉しいです。四朗くんのちょっとした変化に気づいちゃう三郎くんが、なんだか・・もう！！ってなります。敏感なんだろうな〜って。これからも素敵な兄弟愛のお話、楽しみにしています☆ (2013年4月10日 22時) (レス) id: 290a5b010d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みぃ | 作成日時：2013年4月10日 21時
