1 ページ1
深夜1時。
嵐田家では、兄弟たちが心配そうな顔を浮かべている。
それは先ほど一郎に届いた三郎からのメールのせいだ。
永山の写真集が大成功した三郎は、多くの芸能人から声がかかり、かなり忙しい夏を過ごしていた。
夏になると喘息も落ち着き、毎年、比較的調子がよいのだが、今年も例に漏れず、大きく体調を崩すことなく、過ごしていた。
9月に入り、そろそろ夏の疲れが出るころかなと、兄弟たちが警戒していたところだった。
『体調悪くて車運転できそうにないから近くのホテルに泊まって、明日帰るね。』
そんなメールが先ほど、一郎のもとに届いた。
兄弟がそばにいないところで体調を崩すのは、修学旅行以来。
それでも修学旅行は先生が付き添ってくれたが、今回は付き添いもいない。
すぐにでも駆けつけたかったが、すでに終電がなく、全員酒を飲んでいて、車の運転もできない。
「やっぱタクシーで行こうよ。」
「とりあえず今電話してみるから。ね。」
心配がおさまらない四郎が、イライラした口調で提案したのを、一郎が制する。
「もしもし？さぶちゃん？大丈夫？
うん……うん…、そっち行こうか？
……うんうん、そっか。うん。わかった。
明日朝、行くから、とにかくあったかくして寝るんだよ。
苦しくなったらすぐ電話ね。
……うん、おやすみ。」
「さぶくん、なんて！？」
「寝れそうだから、これから寝るって。
明日の朝、迎えに行こう。
ね、おれたちも少しはさぶちゃんのこと信じて、離れられるようにならなきゃ。ね。」
「明日、ちょうど午前中の予約入ってないから、朝一で電車で行って、車に乗せて帰ってくるよ。
にぃ達、仕事だろ？」
一郎と五郎の提案に、二郎も四郎も納得しきってはいないが、これ以上ここでやきもきしていても仕方がない。
それぞれに不安を抱えたまま自室に戻っていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 140人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
7322(プロフ) - yuiさん» yuiさん！コメントありがとうございます！大好きと言っていただけると本当に嬉しいです！もうまもなく完結いたしますが、最後までお楽しみいただけたらと思います♪ (2013年5月25日 23時) (
レス) id: ee69312e20 (このIDを非表示/違反報告)
7322(プロフ) - アリスさん» アリスさん、コメントありがとうございます！今回は私が大好きなさぶくんとしろちゃんの絡みが多くなるかなと思います！もちろん他の兄弟の絡みも含め、ほのぼの優しいお話を書けたらと思います！またよろしくお願いします！ (2013年4月11日 21時) (レス) id: ee69312e20 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 新章、嬉しいです。四朗くんのちょっとした変化に気づいちゃう三郎くんが、なんだか・・もう！！ってなります。敏感なんだろうな〜って。これからも素敵な兄弟愛のお話、楽しみにしています☆ (2013年4月10日 22時) (レス) id: 290a5b010d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みぃ | 作成日時：2013年4月10日 21時
