＊ツリーハウスの住人６＊ (ページ16)

今日:1 hit、昨日:11 hit、合計:6,478 hit

▽266 ページ16

ちとせside

｢じゃあ、私少し職員室居るけど何かあったら呼んでね？ゆっくり寝て休んでね｣

ちとせ｢はい、ありがとうございます｣

ズル休み…してしまった

こういう時に生徒会長って便利だな
体調悪いって言ったら疑われること無くすんなり休ませてもらえちゃった

いや、でも体調悪いのも100%嘘ではない

さすがにあの泥だらけの体操服見せられちゃ…
ちょっと胃が痛くなってくるよね

ちとせ｢そんなに悔しいなら自分達だって生徒会入るなり何なり接点持って仲良くなりゃいいじゃん…｣

横向きになって不貞腐れるように呟いた言葉は
真っ白な仕切りのカーテンに吸い込まれて誰の耳にも届かない

ダメだな…生徒の代表ともあろう生徒会長が、一部の人とはいえ支持してもらわなきゃいけないはずの生徒達から目の敵にされてるなんて…

だからといって解決策なんて無いし…

ちとせ｢女子って難しい｣

ｶﾞﾗｧ…｢失礼しまーす｣

ちとせ｢ん…？この声…｣-ｷﾞｼｯ

私がベッドに横になっていたら、背後の方の出入口が開き聞きなれた声が聞こえてきた

ｼｬｰ…ｯ

ちとせ｢その声、翔？｣

翔｢あれ…ちとせさん？どうしたんですか？ベッドなんかに…体調でも悪いんですか？｣

カーテンをあけてみると、そこには

ちとせ｢あー…いや、ちょっと腹痛？みたいな…

それより翔はどうしたの？怪我でもしたの？｣

翔｢あー理科室でビーカー割って、ちょっと指切っただけなんで消毒と絆創膏を…

ちとせさんは大丈夫なんですか？毎日遅くまで資料作りとかしてるからそれが響いたんじゃ…｣

ちとせ｢いやいや、私の事はいいから自分の手当しなさいよ

怪我してるのに人の事心配してるんじゃありません｣

まさか翔を好きな子達から嫌がらせ受けて、そのせいで胃が痛いですなんて言えるわけもないし…

そんな事で弱ってるのに気づかれたくもない私は、平然を装って翔の元へ向かった

ちとせ｢ほら、座って？｣

翔｢え、ちとせさんが手当してくれるんですか？///

寝てなくて平気なんですか…？｣

ちとせ｢いいの、ほら手ぇ貸して｣

左手の人差し指
思ったより深く切ったようでまだ血が止まっていない傷口に、とりあえず消毒液で湿らせたガーゼを当てる

翔の手…少し関節が骨ばってて…
でもあまり日焼けを知らない綺麗な手

右手にはペンだこが出来ているけど、左手にはそれがなくて…でも大きいくて暖かい…手…で……

あれ…なんだろ…この感じ

翔｢ちとせ…さん？｣