＊ツリーハウスの住人６＊ (ページ12)

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夏恋｢会長！｣

翔｢夏恋ちゃん！｣

呼び出された場所に来ると、そこは教室内を改装して行われている2年生の出し物のお化け屋敷の前の廊下だった

そこにはパイプ椅子に座って足首を痛そうにする女生徒が1人見えた

夏恋｢何があったんですか？｣

翔｢ふざけ合ってる生徒達が、この子が乗ってた脚立にぶつかったらしくて…

たぶん捻挫じゃないかな、この感じだと｣

夏恋｢捻挫…すぐ保健医の先生に連絡しなくちゃですね｣

翔｢そうなんだけど、今別件で他の所でも手当が必要な怪我人がいるらしくて到着が遅れるみたい｣

夏恋｢そうなんですか………大丈夫ですか？

足首以外は痛い所とかないですか？頭とか打ってないですか？｣

怪我をした子の前にしゃがみ顔を覗くと、
痛みに顔を歪めてはいるけど顔色は特に悪くはなさそうで安心した

｢大丈夫です…それより、セットが……｣

夏恋｢セット？｣

｢私が落ちた時にぶつかって、入口付近のダンボールの壁に穴開けちゃって｣

そう言われて見に行くと、確かに大きな穴がポッカリと空いてしまっていた

これじゃお客さん入れられないよね…
予備のダンボールとかで補強しなきゃ

｢すみません、俺達がここで暴れてたから…｣
｢手直しは自分達でするんで、怪我の方優先で対応お願いします((汗｣

怪我の原因になったらしい男子生徒の二人が青ざめた顔でそう言う

反省はしてるのね…仕方ないなぁ…

夏恋｢じゃあ修復の方はお願いします

イベント事は気持ちがたかぶってはしゃぎたくなるのもとってもよく分かります

でも、自分達だけのイベントでは無いことも忘れないでください

今後は周りに気を使いながら、楽しんで過ごしてくださいね^ ^｣

｢は……はい/// 気をつけますっ｣

保健医｢ごめんね！お待たせっ｣

そうこうしているうちに、保健医の先生が到着して手当も済み事態も落ち着きを見せた

後は各自の対応は担当クラスに任せればいいかな、という段階までくると

翔｢ごめん夏恋ちゃん、俺もう行くけど大丈夫かなっ？｣

夏恋｢え？大丈夫と…思いますけど

そんなに焦ってどうしたんですか？また他にトラブルでも？｣

翔｢そうじゃないんだけど…いや、俺の中では事件っていうか…

とにかく行かなくちゃなんだ((汗｣

夏恋｢分かりました…私ももう少ししたら見回りに戻りますね｣

また佐倉先輩探ししなきゃだし

翔｢ありがとう！じゃあ！｣

そう言い、駆け出す会長の後ろ姿を見送ってから私もその場を離れた