＊ツリーハウスの住人６＊ (ページ11)

今日:2 hit、昨日:11 hit、合計:6,479 hit

▽261 ページ11

和也side

ｶﾞﾁｬ

和也｢扉を開けると……視界にはソファー……｣

再び訪れた生徒会室で、俺は1人頭を巡らせた

例えば……仮に、
既に佐倉先輩が校内に居るとしたら

翔ちゃんの存在を求めて探してるとすれば
連絡も取って無いはずだからクラスは分からないだろうし、まず頭に思い浮かぶであろうは生徒会室だよな……

普段の翔ちゃんなら、病人の為に用意したペットボトルを床に転がしたままどこかに行くはずないし

俺の記憶が確かなら、俺がさっき夏恋さんの様子を見にここにたどり着いた時ドアも開けっ放しだったはず

和也｢翔ちゃんなら、閉めてくよな｣

いくらなにかトラブルがあったって言っても
普段も生徒会長として動いてる翔ちゃんなら
それくらいで、ここまで慌てて乱れないはず……

和也｢……｣

俺は暫くその場に立ち尽くし
あらゆる可能性を考えながら、ありうるなら一番確率の高そうな推理の元、足を進めた

生徒会室を出ると斜め左前には階段が見える

その階段を通り、1番下の階まで降りるとその先には

和也｢中庭……か………………あれ？何で……｣

木漏れ日の指す中庭に目を向けていると
石組み出てきている大きな花壇の向こう側に、ベンチに腰掛けているであろう見慣れた後頭部が見えた

あの後ろ姿……でも、さっき電話で呼び出されたはずじゃ

不思議に思い近くまで歩み寄る

あ……まさか、また気分が悪くなったんじゃ((汗

和也｢夏恋さん、大丈夫ですか……っ｣-ｸﾞｲｯ

｢きゃっ！なに！？((汗｣

和也｢あ、すみませ……っ！人違い……って……え……もしかしてっ｣

｢……っ？｣

驚く俺の隣で、俺よりもっと驚いた顔でキョトンと俺を見上げるその女性

後ろ姿を見て夏恋さんかと思って掴んだその肩は、限りなく彼女に似た別人で……

ただ似てるなんてもんじゃない
そりゃ間違われるのも納得だと思うくらいよく似てて

和也｢あんたが……佐倉先輩ですか？｣

ちとせ｢私を……知ってるの？｣

やっと見つけた

見つけたよ、夏恋さん