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初任務 胡蝶side ページ6

「今日は星が綺麗ですねぇ。」


下弦の月だから月明かりは然程明るくなく
星が綺麗に見えていた。


一人縁側に座り、星空を眺めていると
一羽の鎹鴉がやってきた。

足に紙をつけている。


「おいで。」
そう言うと隣に飛んできた。



差出人の名前は書いてあるが知らない相手だ。
突然の手紙を送る無礼を詫びると
階級壬 矢吹真と書いてある。
Aちゃんの名前も書いてあり
任務中に一般庶民が怪我をしたから
対処方法を教えてほしいと書いてあった。


鎹鴉に手紙を寄越したと言うことは
まだ鬼と戦っているから、その場を
離れられないのだと判断して
急いで隊服に着替えると
屋敷で控えている隠の者を何名か呼び
鎹鴉に主の居場所を教えるよう伝えて
後を追った。


到着すると静まり返っている集落の道端に
人影を見つける。

近づくとAちゃんだった。

見る限り怪我はしていない。



静かに泣いているAちゃんの後ろで
どうしていいか分からずオロオロしている
隊士に声をかけた。

ここでの出来事を説明してもらう。



鬼を雄太くんと呼んでいたこと
吉恵さんと言う人の名前も話していたことを
聞き、全てを察知した。

自分も雄太くんの治療をしていただけに
あの子が強く優しい子なのは分かっていた。
目が覚めてから、すぐにでも
母親の元に帰りたいだろうに
完治せず帰ると母親に迷惑をかけるからと
我慢していつも笑顔でアオイ達の後ろを
ついて回ると、よく手伝いをしてくれていた。




隠の者に一般庶民の怪我人の処置を指示する。


Aちゃんは私が来たことにも
まだ気づいていない。


そっと近づき声をかけると
ぼんやりとした顔で振り返るAちゃん。


その顔には悔しさ、悲しさ、虚しさで溢れていて
見ている私も胸が締めつけられる。


私の姿を確認すると、子供のように
抱きつき泣きじゃくった。

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作者名: | 作成日時:2021年1月17日 10時

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