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好きが過ぎる ページ39

お屋敷に帰ると、杏寿郎くんは
千くんの稽古に立ち会っていた。


「帰りました。」


私の顔を見ると、千くんに一声かけて
こちらに一瞬でやってきた杏寿郎くん。
千くんが見ているのもお構いなしに
抱きしめられる。


「杏寿郎くん、ただいま。
約束通り、任務の前に帰ってきたよ。」

「おかえり。無事か?」

「? 大丈夫。 炭治郎くんとも
会えて話してきたよ。」

「そうか、良かった。」



ーーーーー



5分後。


「杏寿郎くん?」

まだ私を抱きしめている杏寿郎くん。

「何だ?」

「うん…えっと、ずっとこのままだけど
大丈夫?」

「構わない!」





「えっと、杏寿郎くん?」

「何だ?」

「離れる?」

「何故だ!」

「? だって千くんの稽古中だよ?
任務もあるんでしょ?」

「…。
うむっ! そうだった!!」



それでも中々離れようとしない杏寿郎くん。



「杏寿郎くん!」

「何だ?」

「千くん!稽古中っ!」

「よもや! 俺の体がAから
離れないぞ!!
千寿郎、これは血鬼術か??」


勝手に素振りを始めた千くんが
眉毛を下げて笑っている。

「僕のことは気になさらず
兄上を甘えさせてあげて下さい。」


「甘っ!
よもや!! 俺はAに甘えているのか?」


大きな目を見開いて、いつも以上に大きな声で
叫ぶ杏寿郎くん。

耳元で叫ぶから耳が痛いよ。
杏寿郎くん…。




その様子を縁側で見ていた槇寿郎さん。

「俺はあそこまでじゃなかったよな…瑠火?」

番外編 作者より→←出会い 漆



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作者名: | 作成日時:2021年1月17日 10時

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