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出会い 弐 ページ33

「行ってきていい?」


「俺は問題ない!一緒についていく!」


「杏寿郎ッ!今日非番ジャナイゾッ
見廻リ任務アルデショ?」
流星が声をかける。


「むっ!…しかし」


「シカシ、ダメェ!鬼殺隊ナルモノ鬼ヲ
斬ラズシテ何ヲ斬ルノヨォ!
休メル時ニ体ヲ休メル、アタリ前デショォ!」



はい!杏寿郎くん、ぐうの音も出ません。
今回も流星の勝ち!




ーーーーー




非番ではあるけど、一応隊服に着替え
いつものように日輪刀も腰につける。
私がパタパタと支度をしているのを
ずっと見てる杏寿郎くん。

何回も口を開きかける度に流星が
私に話しかけてきて、さっきからずっと
むぅ!とかぐぅ!って言ってる。

心配なんだよね、一緒に来たいんだよね。
でも大丈夫、一人で出来るよ。




「杏寿郎くん、大丈夫だよ。
無事にしのぶちゃんとこに行って
杏寿郎くんが任務に出かける前には
帰ってくるから、杏寿郎くんは休んで。」


「う…むぅ!」


「私…そんなに信用ない?」
ちょっと上目遣いに杏寿郎くんを見る。


「っう! そんな顔をしないでくれ。
俺は….俺はAの事になると
どうも上手く対処できない。」


「何がそんなに心配なの?」


「分からない…でも自分のそばにいないと
守ってやれない。ずっと隣に置いておきたい。
小さくして懐に入れて置きたい…

す、すまん!気持ち悪い事を口走った!」


耳まで真っ赤になり、腰に手を当てると
もう片方の手で頭をかいている杏寿郎くん。


「私は大切にしてもらってるね。
ありがとう…大好きだよ。」
そう言うと爪先立ちをして
杏寿郎くんに抱きつくと頬に軽くキスした。

油断している間に、パッと離れると
振り返りながら行ってきます!と
手を振り、お屋敷を後にした。

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作者名: | 作成日時:2021年1月17日 10時

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