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初任務 玖 ページ3

雄太くんが混乱…している?
自分が今何を言おうとしたのか
邪念を振り払おうとしているのか
頭を左右に振っている。

「雄太くん!思い出して!!」

「ちょっと黙ってて。」

「あなたは人間だったの!」

「僕は鬼だよ。
お姉さんを食べて強くなるんだ。

強くなって…僕は何を守ろうと?
ねぇ、僕は何を言いかけたの?」

「雄太くん…」
視界がぼやける。私の頬が涙で濡れる。


「僕…僕はあの大人を食べた…。
お腹が空いて空いて仕方なかった。
逃げればいいものを、僕に食べられながら
あの大人は僕を抱きしめたまま…」

雄太くんの声が震える。

うわぁーと大きな声でこちらに飛びかかる。

一度鬼になれば人間に戻る方法はまだない。
でも雄太くんは明らかに吉恵さんを
思い出そうとしている。
身を交わすと雄太くんと距離を置く。


吉恵さんは雄太くんの母親
一番あなたを愛していた人
一番あなたを守ろうとしてくれた人だと
雄太くんの攻撃を交わしながら叫ぶ。

何回そうしただろうか。
雄太くんとすれ違った時
微かに聞こえた声で心が決まった。


テレビで見ただけだった。
でもこれが一番いいと判断して呼吸に集中する。

出来ると確信があった。

目を閉じて神経を集中すると
私の日輪刀が虹のように輝き水を纏う。





「水の呼吸 伍ノ型 干天の慈雨」

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作者名: | 作成日時:2021年1月17日 10時

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