検索窓
今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:79,738 hit

告白 陸 ページ14

全て話終わると肩で大きく
息をついた。
まだ涙は止まらない。


誰もが口を開かない中
私の鼻をすすり泣く声だけが
静寂の中に響いていた。






「A、よく話してくれた!」
重く暗い空気をかき消したのは
杏寿郎くんのいつものハキハキした声だった。


「たまに見せるAの表情を見て
俺に関する何かとは思っていたが
ここまでとは思っていなかった。
辛い思いをさせていたのが、よもや
自分だったとは…全くもってすまない。
柱として不甲斐なしっ!」


躊躇いも不安もない
本当にいつもの力強い声。


「話してくれてありがとう!
俺はその話で自分の責務を全う出来たのなら
母上もきっと喜んで下さっただろう。
でも大丈夫だ。その話と今は違う!」


泣き腫らした顔を上げると
杏寿郎くんは私の頭に手を乗せて
「俺は絶対に死なない!今はAがいるからな。
こんなに強いのに泣き虫な君を置いて
俺が逝ける訳がないだろう。」と。



少しずつ落ち着いていた涙が
また溢れる。



「ごめんね…ごめん…
杏寿郎くんを知れば知るほど
弱い人を守るために自分の…命を犠牲にしても
…それでもいいって…言うんじゃないかと
思うと言え…なかった,」
顔を両手で覆うとまた泣いた。


「さっきも言っただろう。
その時の俺はそう思ったかもしれない。
でも今は違う!」

告白 漆→←告白 伍



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (78 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
257人がお気に入り
設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2021年1月17日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。