【鬼滅の刃】貴方との幸せな未来にむけて～続3～ (ページ2)

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初任務　捌ページ2

「雄太は優しい子なんです。
父親がいなくなって私が憔悴してたら
あの子…まだ小さいのに私を抱きしめて
僕がいるから大丈夫だよって。」
あの時泣きながら話してくれた吉恵さん。

「お姉さん、柔らかそうだから食べていい？」
一歩ずつ静かに歩きながら
近づいてくる雄太くん。

この子は雄太くんだけど雄太くんではない。
分かってる。
分かってるけど…。

「来ないで！」
日輪刀を構える。

「僕を斬れるの？
僕、雄太だよ。」

顔がしっかり見える距離まで来て気づいた。
この子は鬼特有の赤い目ではない。
瞳孔も縦ではなく、人間のような目。
鬼じゃない？

雄太くんが手を伸ばす。

「牧野さん！」
矢吹くんの声と同時に後ろに飛ぶ。
光は雄太くんの体をまとっている。
雄太くんは鬼だ。
間違いない…けど。

躊躇している私を見て矢吹くんが
日輪刀を雄太くんに振りかざす。
雄太くんはヒラリと舞うと
矢吹くんの背中を切りつける。
「っ！！」
隊服の上からだったのに
服は3本の爪の跡にそって切り裂かれ
うっすらと血が出ている。

そんな現実を見ても雄太くんの
後ろに吉恵さんの姿が重なり心が揺らぐ。

「ねぇ、お姉さん。稀血でしょ？
稀血の人を食べたら僕も強くなれるんだって。
そしたら守れる…」
足の動きが止まる雄太くん。