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謙杜side
あーー、やってもうた。
こうはならへんようにって気をつけてたはずなんやけどなぁ……。
「お家の方…あ、お兄さんに連絡しようか？」
「えっいや、大丈夫です…、っはぁ、自分で、帰るんで…」
「本当に？お家近いんだっけ」
「……電車で3駅なんで、全然」
僕にとっての新学期初日から、毎晩のように微熱に悩まされて1週間以上。なんだかあまり食欲のない日が続いていたせいもあってか、ただでさえ低血圧持ちなのに貧血になったぽくて。4限は担任の数学の授業やったけど、あまりにも悪い顔色を見て、担任に保健室に連行された。
ちょっと休ませてくれれば良かったのに、保健室の先生も僕の顔色見るなり帰りなさいって言うから、慌てておにーちゃんに連絡されることだけは阻止して。
少しだけベッドに横にならせてもらってから、担任が持ってきてくれた鞄を手に真昼間の繁華街をとぼとぼ歩く。体調が悪いせいか心まで弱ってるみたいで、今朝やられたいじめを思い出して泣きそうになって。頑張って早起きしておにぎり握ったのに、床に投げられちゃってん。……、おにーちゃんは、僕が作ったお弁当ちゃんと食べてるかな。
「…はー…、ばかみたい…っ」
いじめられてるのも、何もやり返せへんのも、受け止めきれんくて結局体調崩しとるんのも、ほんまにばかみたい。
こんな昼間から制服着て俯いてふらふら歩く僕への視線も、なんだか痛くて。
おにーちゃんがいるはずの病院からも目を背けて、とにかく早くお家に帰ろうと、しんどい体を無理やり前に進めた。
.
「……、え…？」
「あれっ、謙杜？…どうしたん早くない？」
びっくりした、なんでおにーちゃんいるの。え、昨日夜勤やったっけ。いや朝お弁当渡したやん。なんで昼間から家おるん。
「謙杜？今日午前まで？明日からゴールデンウィークやから？ちゃうよな？……って、顔色やば」
「、なんで、おにーちゃん…っ」
「今日午後休みもらったんよ、明日からも働かなあかんくなったからな。それより謙杜、早退してきたん？」
「…ん、ちょっと、ね…」
僕の顔を見るなり血相変えて近づいてきたおにーちゃんに、あれよあれよとソファに座らされて、一発で貧血やねって当てられて。
久しぶりに感じるおにーちゃんのあったかさに泣きそうになるのを、ぐっと堪えた。
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柚羽(プロフ) - ちゅきちゅきさん» ありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです🥹💛 (2022年12月24日 10時) (
レス) id: 9997f70d34 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅきちゅき(プロフ) - 各コンビとの短編集？天最高です！毎日の楽しみになりました😍 (2022年12月23日 13時) (レス) id: 1b2f475238 (このIDを非表示/違反報告)
柚羽(プロフ) - Rioさん» ありがとうございます…！🥺お返事できておらずごめんなさい…！夕暮れさんとても人気なので近いうちにまた書くと思いますー！！🫧 (2022年12月15日 0時) (レス) @page39 id: 9997f70d34 (このIDを非表示/違反報告)
Rio(プロフ) - 主様のお話大好きで何回も読んじゃいます！！また夕暮れのお話待ってます🥺🥺 (2022年11月26日 20時) (レス) @page36 id: 9d6c92ab72 (このIDを非表示/違反報告)
柚羽(プロフ) - おもち。さん» ありがとうございます🥹おもち。さんも続編公開おめでとうございます！楽しみにしてます♡ (2022年10月13日 23時) (レス) @page5 id: 9997f70d34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚羽 | 作成日時：2022年10月13日 18時
