ご主人様の言う通り (ページ32)

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次の日、
朝早い翔くんはもう家にいない。

「…はぁ」

松本「どしたの。ため息なんかついて」

昨日も夜遅かった潤くんが
今日は珍しく早起きで、私にそう尋ねる。

「…おはよ。今日は早いね」

松本「そうなんだよ。今日は雨降るかもな？(笑)」

「…ホントだね(笑)」

松本「あっそうだ。昨日なんで翔さんと店きたの？」

「和と水族館行った帰りにあって、そのまま潤くんのお店行く？って」

松本「あの……さ。言ってることが分かんないけど。
どーゆうこと？にのとデートしてて、帰りに翔さんに会ったからそのまま俺の店にデートしに来たの？」

「ち、違うよ！
和とのは、まぁデートっちゃデートだけど、ほんとのデートじゃないやつ。
翔くんとのは、「潤くんのお仕事姿見に行こっか！」くらいのノリだよ」

松本「そう？まぁいいんだけどね？この家の中に好きな人がいるなら別に応援するしさ」

「い、いないよ？」

松本「へぇ。そうなの」

潤くんの目は"すべておみとうしだ”って目をしてる。
心の奥底まで読まれそう…(笑)

「そうだよ？まぁ私は所詮ペットですから」

松本「だな(笑)けどさ、恋すんのはペットも人も同じだからな？自分の気持ちに正直にな」

そう頭をポンポンして
「いってきまーす」ってお仕事に向かう。

別に、潤くんに翔くんの話をした覚えはない。
それに気づかれるようなことした覚えもない。
でも、全部バレてる気がした。

ぶっぶっ…

その時携帯が鳴った。

櫻井「モモごめん！部屋に資料忘れたから届けてくれないかな？」

返事はもちろん

「了解！すぐ行きます。お部屋お邪魔するけどごめんね」

翔くんの部屋はやっぱり綺麗に整頓されていて、ほんと完璧だなぁって思う。
資料は机の上にわかりやすく置いてあった。

携帯をみると
櫻井「いいよ(笑)」
と通知があった。
その横に可愛らしい絵文字を付けてて
これがギャップ萌えかー！って思う。

外に出る前に、潤くんが言ってたとおり、ほんとに雨が降りそうだったから折り畳みの傘を持っていった。