ご主人様の言う通り (ページ23)

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和さん、彼女さんと別れたなんて…
あんな冷たくしちゃった。
荷物まで整理してもらったのに…

「…ごめん」

これが私にできる精一杯の
申し訳ない気持ちの表し方。

二宮「…俺こそ」

そう言ってくれた和さんは、
さっきとは違ってすごく優しい目をしてた。

「それから……荷物ありがと」

ほんとはもっと早く言わなきゃいけかったことなんだけど、和さんは「別に」って素っ気なく、だけど優しい声で返してくれた。

二宮「でさ、翔ちゃん好きなんだよね」

「えーっと………………あの……出てった方がいいよね……」

二宮「…別にいいよ」

「…………え？」

和さん「…酷いこと言って悪かった」

「ううん、悪かったのは私の方だから」

尖らせた口を少し閉じて
考え始めた和さん。

可愛い、なんて思ってたけど

二宮「そーだよな。お前が悪い。だからさー1つ言うこと聞いてくんない？」

「言うこと…ってなに？」

二宮「今日1日、俺の彼女のふりしてくんない？」

「…え」

二宮「あっ、言っとっけど首横にふらせねぇからな」

「…でも」

二宮「ご主人様の言う事は絶対じゃないのかなーーー？従わないと、、翔ちゃんにー」

「っはいはい。やります」

勝ち誇った顔して、こっちを見てくる和さん。
ほんとは1発殴ってやりたいけど、
それは抑えて、上辺だけの笑顔で微笑む私。
私もそんなこと出来るんだ

二宮「あっ、それと今日1日、1回でもその笑い方したら、ぶん殴るからな」

…バレてたか

二宮「俺を騙せると思うな。そんなの二年早いんだよ」

はぁ…
二年経てば騙せるんですね…
二年って…微妙…(笑)

「で、なんで急に私が彼女のふりを…？」

二宮「決まってんだろ。見返すんだよ。だからそんなビミョーな顔すんな。たまにはバッチリメイクしてこい。あと、もっと女らしい格好しろ！」

「な、なによ急に」

二宮「30分後に出るからな」

「…分かった」

私が謝ったのをいい事に、
なんだよあの人

二宮「俺の顔睨んでる時間ねぇから、早くいけ」

知らないうちに和さんを睨んでた私。
もはや和(さん)がいるかどうかも分からないや。

「分かったよーだ。和のバカ！」

二宮「お前ペットのくせして！…ってか今「和」って」

「なに？ダメなの」

二宮「し、仕方ねぇな。特別だかんな」

「べーつにそこまでして「かず」なんて呼ばなくてもいいんだけど」

そう言うと「勝手にしろ」と怒鳴る彼。
素直に「いいよ」って言えばいいのに