ご主人様の言う通り (ページ18)

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二宮side

『もう子供の恋愛には飽きたから』

その言葉が何度も頭の中で連呼する。

今日彼女に言われた言葉。
彼女とは幼なじみで、俺が赤ちゃんの時からよく遊んでくれてた。
そんな彼女を俺はいつの間にか好きになってたんだ。
付き合い始めたのはもう５年前のこと。
告白したのは、俺が中2の時だったけど、そん時は振られて、成人したのきっかけに改めて告白した。
あれから、順調に俺達は愛を重ねてた。
結婚だって考えてた。
だけど、それは俺だけだった。

・

彼女はもう３年も前から俺に隠れて浮気してたんだ。5歳上の男と。
今日あの言葉を言われたのも、その人との結婚が決まったからだった。

俺だって自分が子供なことくらい分かってた。

"子供の恋愛”

所詮、俺は最初から遊びだったんだ。
本気なんかじゃなかったんだ。
俺が一人で浮かれてただけ。
そう思うと、素直に別れることを受け止めれた。

だけど、頭ではそう思っていても、心はそうは思ってくれない。
人間って残酷だ。

なのに、なんだよあいつ。
荷物を整理した俺に何一つ感謝の言葉も言わないで、翔ちゃんのことしか考えてない。
それもあってモモに全部八つ当たり。
その後結局風呂場で泣いて、
俺、情ねぇ。
部屋に入っても、涙は止まらなかった。
あれからどれくらい経ったか定かではないけど、「食欲ない」って頭で思ってても、心と同様、お腹は嘘をつかない。

なにか口にしようとリビングに戻る。
リビングに入ると、ソファに人の気配を感じて、見に行く。

「モモ」

そこには涙で顔がグッシャグシャのモモがいた。

「なんでお前が泣いてんだよ、泣いていいのは俺だけだろうが」

またそう言って、モモに八つ当たりする。

もっと大人の男になれたなら、
こんな人に八つ当たりしないとダメな俺じゃなかったら、

『もう子供の恋愛には飽きたから』

そんなこと言われずに済んだのかな…