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翔side
うっそうと繁った森の中をゆっくりと歩く。
太陽の光が届かないほど空を覆い尽くした木々の葉っぱたち。
今は朝だというのに、森の中は夕闇のように暗かった。
「雅紀、気を付けろよ？」
雅「分かってる。一応、サナは出しておいたから、襲われても少しは大丈夫」
「気配がしない可能性もあるから、よく周りを見て。気配はしなくても、姿や足音までは消えないから」
雅「了解っ！」
護身用として雅紀が出したままにしていたサナも、小さくウォン、と鳴いた。
俺は頷くと、歩を進めた。
３０分近く経っただろうか……
ここまで、雑魚と呼ぶのにふさわしい、低級の魔物が五匹しか現れていない。
それに、そろそろ村人がいると思われる建物につくはずなんだけど……
雅「翔ちゃん、なんか、魔物の数が少なすぎない？本当にここを守ってんの？」
「それは、俺も思ってた。それに、そろそろあるはずの建物が見つからない」
雅「……道、間違えた？」
「いや、間違ってはいない。風間くんが詳しく書いてくれた地図の通りに進んでる」
雅「風間の読みが少しハズレてるのかな？」
「………もう少し進んでみよう」
そう言って再び歩き出そうとしたとき、パキッという、枝が折れた音がした。
雅紀と目を合わせ、音がした方に顔を向ける。
そこには、暗闇が広がっているだけ………
いや、暗闇と思っていたところが、突然グラリ、と揺れた。
そうしてゆっくりと振り向いたヤツは、真っ赤にギラギラと光る目に、赤く染まった巨大な牙をもつ、熊のような見た目をしていた。
ただ、熊と決定的に違うのは、さっき言った目と牙だけじゃない。
ヤツの体長は確実に３ｍは超えていた。もしかすると、４ｍあるかもしれない。
それほど巨大だった。
俺は相棒の剣を鞘から抜き取り、いつでも戦える準備をした。
その時、ヤツの近くの暗闇がもう一度、グラリ、と揺れた。
「………二体もいるのか」
一体目と同じような姿だったが、こちらの方が、少しだけ体長が小さかった。
雅「翔ちゃん、この魔物は、リーグスっていう魔物。おそらく、つがいだね」
「性格とか、分かるか？」
雅「………気性が荒くて、視界にはいった動物を襲って貪り喰う………魔物の中でも一番危険だ、とも言われてるんだ」
「………これは、面倒な敵だな」
俺は剣を構え直した。
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蘭々(プロフ) - 美唯さん、コメントありがとうございます！初めてのコメントで、嬉しいです…(泣)これからも頑張っていきます！よろしくお願いします！！ (2015年5月10日 13時) (
レス) id: 7a80d1c54d (このIDを非表示/違反報告)
美唯 - 作品を見つけ楽しく読ませていただきました(笑)続き楽しみにしてます(笑) (2015年5月10日 12時) (レス) id: 14862b15c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭々 | 作成日時：2015年3月14日 21時
