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雅紀side
翔「『そのときは、翔、あなたの手で殺して』……………ジャレッカはそう言ったんだ」
静かに言った翔ちゃんは、悲しそうな、でも懐かしむような、そんな表情をしていた。
翔「俺は、冗談はやめろよ、って言って笑った。でも、ジャレッカは真剣な目をしたままだったから、俺は、ちゃんと約束したんだ……………国軍を抜けたら、殺すって。
それから１年間は、今までとなんら変わることなく過ごした。
でも、だんだんジャレッカは、ボーッとすることが多くなっていった。一言二言かけたぐらいじゃ気づきもしないで、どっか遠いところを見つめ続け、強く体を揺さぶられて、やっと我に返る…………そういうことが、何度もあった。
その頃は、話すたびに、『自分が怖い』と言っていた。そして、『ちゃんと約束守ってよ？』とも言っていた。
そして、今から半年前、ジャレッカは突然、姿を消したんだ…………」
翔ちゃんはふぅ、と息を吐いた。
その目は、うっすらと潤んでいた、と思う。
翔「俺は、いや、国軍は総力をあげてジャレッカを探したよ。副総長だし、なんと言っても、ジャレッカが持ってる剣術を敵にまわしたら、相当な強者になるからね。
でも、ジャレッカの消息については、今でも手掛かり一つ、見つかっていない。
………俺には、絶対果たさなくちゃいけない約束がある。そのためにも、俺はずっとジャレッカを探し続けてきた。
そして、俺は今、エベネーラにいる気操師がジャレッカではないか？…………そう思っている」
ここまで喋ると、翔ちゃんはフッと窓の外を見た。
翔「もうこんな時間か。晩飯にしよう。風間くん、食料はある？」
俊「……あ、はい、あります」
翔「よし、じゃあ今日は俺が作るから、二人は待ってて？………あっ、風間くん、キッチン借りるよ？」
そう言った翔ちゃんは、風間の返事を待たずに、一階へ降りていった。
それは明らかに、一人にしてくれ、と言っているようなものだった。
そして、階段を降りていったその背中は、とても、とても悲しそうだった………
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蘭々(プロフ) - 美唯さん、コメントありがとうございます！初めてのコメントで、嬉しいです…(泣)これからも頑張っていきます！よろしくお願いします！！ (2015年5月10日 13時) (
レス) id: 7a80d1c54d (このIDを非表示/違反報告)
美唯 - 作品を見つけ楽しく読ませていただきました(笑)続き楽しみにしてます(笑) (2015年5月10日 12時) (レス) id: 14862b15c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭々 | 作成日時：2015年3月14日 21時
