21 山登り ページ25
翔side
「………雅紀、やっぱこれ、高くないか？」
雅紀の家を出発してから歩いて２時間。やっと雅紀が言っていた山、メソア山の麓に着いた俺は愕然としていた。
だって、麓の看板には………
「標高 2190m」
雅「そうかなー？俺は別に慣れちゃったから、よく分かんないや」
いやいやいやいや！
慣れたとかの問題じゃないでしょ！？
「山登り無経験者の俺には、これはハードルが高すぎるよ………」
雅「俺だって、登ったことはないよ？」
…………なんですと？
俺が驚いて雅紀を見ると、ニコニコしながら言った。
雅「だって、いつもサナに乗って行ってたからね〜(笑)サナの手にかかれば、この山ぐらい余裕だよ！」
なるほど、なるほど。
「………つまり、俺もサナに乗れと？」
雅「そう言いたいところなんだけど……無理なんでしょ？」
俺は激しく首を縦にブンブンと振った。
雅「分かった分かった(笑)じゃあさ、ユニには乗れるでしょ？」
そう言うと、雅紀は袋から白い玉を取りだし、ふぅ、と息を吹き掛けた。
そのとたん、ボンッと音がして煙が出たかと思うと、そこにユニの姿があった。
雅「ユニは馬だし、翔ちゃんも乗馬の経験くらいあるでしょ？ユニもめっちゃ走れる、駿馬だから安心して！」
「……ごめん、雅紀。ありがとう」
雅「いーえ！ユニもちょうどひとっ走りしたいって言ってたとこだったから」
雅紀は太陽のように眩しい笑顔を俺に向けた。
そしてもう一度、袋をゴソゴソして黒い玉を取り出した。息をふぅ、と吹き掛けると、ユニの時と同様にサナが現れた。
雅「俺はサナに乗っていくから、その後ろから翔ちゃんとユニはついてきて」
「了解！」
雅「この山越えるのに、多分１５分くらいだから、足元に気をつけてね！特にユニ！」
ユ【分かってる】
俺にはユニがブルルッと鳴いただけにしか聞こえなかったが、ちゃんと雅紀は理解しているらしい。
ニコッと優しく笑ったあと、サナの背中に乗った。俺もユニの背に乗る。
雅「手綱とか無いけど、いける？ユニのたてがみ、掴んでいいから」
「手綱は無くても大丈夫。たてがみをつかませてもらうから」
雅「よし！じゃあ、行くよ？サナ、ゴー！」
サ【オレに任せとけっ！】
サナがウォンッ！と鳴いて走り出した。
俺もそのあとを追って、山に入っていった。
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蘭々(プロフ) - 美唯さん、コメントありがとうございます！初めてのコメントで、嬉しいです…(泣)これからも頑張っていきます！よろしくお願いします！！ (2015年5月10日 13時) (
レス) id: 7a80d1c54d (このIDを非表示/違反報告)
美唯 - 作品を見つけ楽しく読ませていただきました(笑)続き楽しみにしてます(笑) (2015年5月10日 12時) (レス) id: 14862b15c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭々 | 作成日時：2015年3月14日 21時
