021. ページ21
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橙
ふぅ…とひとつ深呼吸をする
ご機嫌取りのつもりはないけどさっき売店で買ったゼリーを持って
「よし、」とドアを開ける
赤「あ、オトン」
橙「あんま来れへんくてごめんな。ゼリー買ってきた」
赤「お、ありがとう」
思いの外元気そうでよかった
少しだけ何気ない話をして本題に入る
橙「大毅。今日はな大事な話をしに来てん」
赤「うん。何？」
橙「この前の検査の結果な、またちょっと悪くなってた見たいやねん
やから、手術が必要やって。手術でできるだけ腫瘍を取り除かなあかんねんて」
赤「…やだ」
橙「…え？」
赤「嫌だ。手術したってまたどうせ腫瘍は全部取れへんのやろ」
橙「……で、でもな？」
赤「ふふ、嘘やで。俺、手術するよ。そっちの方がええって�陲舛磴鵑�言ってんならする」
大毅はいつも通りの笑顔を俺に向ける
橙「…おおきに。いつもいつもホンマにごめんな」
赤「いや何でオトンが謝るん？仕事でいつも頭下げてるんやから俺になんか下げちゃダメやで」
橙「ふっ、うっさいわ(笑)」
赤「あ、笑った！ひっさしぶりにオトンの笑った顔みた」
俺は何回
子供たちに救われたやろうか
妻が亡くなって
俺ひとりでふたりの子を育てることになって
毎日、毎日必死やった
大毅が病気になって
不安で押し潰されそうになった
でも、どんな時でもふたりは
笑顔を俺に向けてくれた
今だって
打ち明けることを渋って何日もお見舞いに来なかった俺を責めることなく
大毅は笑ってた
ホンマに俺、この2人の父親になれて良かった
そう心から思っていた
赤「オトンこれ食べる？」
そう差し出してきたのはプリン
橙「おおきに。これ誰から貰ったん？」
赤「自分で買ってん。オトンにあげようって
こんなものしか上げられへんくてごめんな」
橙「要らへんのに何も…大毅が居ればなんでもええのに」
赤「…え？泣かへんでな？(笑)」
橙「…泣かへん」
すっかり涙もろくなった俺
2人でおやつを食べる時間は
ホンマにホンマに幸せやった
橙「今トモが居たらもっと幸せなんやけどな」
赤「退院したら美味しいもの3人で食べに行こうや」
橙「そうやな」
ひとつ
家族でやりたいことが増えました
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桐山めぐ(プロフ) - 完結おめでとうございます！それから、素敵な作品に出逢わせてくれてホントにありがとうございます♪何度も泣きました。これからの作品も楽しみにしていますね♪ (2020年7月30日 9時) (
レス) id: 0f3a9041d9 (このIDを非表示/違反報告)
raf.(プロフ) - 七星さん» コメントありがとうございます！物語も終盤です。最後までよろしくお願いします！！ (2020年6月25日 4時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
七星(プロフ) - 続きが気になります！応援してます！ (2020年6月19日 18時) (レス) id: 669d995560 (このIDを非表示/違反報告)
raf.(プロフ) - 青ジャス民さん» コメントありがとうございます！物語も佳境を迎えてます。引き続き応援よろしくお願いします(^^♪ (2020年6月3日 18時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
青ジャス民 - 続きがとても気になります！更新頑張ってください (2020年5月30日 10時) (レス) id: 9a6d1c8bcc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：raf.
| 作成日時：2020年3月31日 21時
