雨と虹

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蒸し暑い夏の日


蝉の音で目が覚める






リビングにはもちろん誰も居ない


シャワーを浴びて、歯を磨いて、家を出る







イヤホンから流れる大好きな音楽


電車に乗ってウトウトしてると誰かが隣に座った






「トモ、おはよ〜」


眠そうな金髪のイケメンは幼馴染の流星





緑「おはよう…」

青「何聞いとるん？」



流星は俺のイヤホンを勝手にとって自分の耳に入れる






青「この曲、今度踊るん？」

緑「うん。次の大会で」

青「かっこええなぁホンマにトモは。俺また見に行くな」



そんなことを話しながら電車を降りる


もう周りには同じ制服を着た人ばかり







青「あ、そういえば大毅元気？最近会ってへんけど…」



大毅というのは俺の双子の兄


昔から病気を持ってて今は入院してる







緑「またこの前入院してん」

青「あ、そうなん…大丈夫？」

緑「…おん、まぁ」




大丈夫？って聞かれたところで


俺には分からへん








大毅は産まれた頃から身体が弱かった


周りの人は口を揃えて「もうひとりの子は元気やのにね」と言う


ごめん。そう何回も思った


大毅にも何回も謝った





大毅は「トモのせいやないよ」っていっつも笑顔でそう言う


その気遣いが、その優しさが


俺の心の鎖をどんどん固く閉じていくんや









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