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ryusei
姫島との手紙はほぼ毎日のように続いた
次の週俺が言った曲を弾いてくれて
あの人を思い出す
あんなに切なくて苦しい思い出なのに
このピアノの音色なら
悲しみの涙は流れない
「藤井くんにとってこの曲…どんな曲なんですか?」
「え?…んー……ふふ、」
「…?」
「なんで姫島敬語なん?」
「え?…いや…それは……」
姫島はいつも俺によそよそしい
毎週こうしてふたりで同じ空間を共にしてるのに
ずっと敬語やし
クラスで目が合ってもすぐ反らされる
「姫島はピアノ弾いてる時が一番いい顔してる」
「…あ、ありがとう……」
夕日が差し込み
冬服が夏服に変わり始める季節の中で
心地よい風が俺らを通り抜ける
“なぁ…姫島
なんでそんなに辛そうで悲しそうな音色なん?
いつもひとりで
笑ってるところなんて見たことない
何を考えて
何を知って
何を感じて
今の君がいるん?”
彼女のピアノを聴く度に気になった
彼女のピアノを聴く度に彼女のことを知りたくなった
なぁ、もっと俺に教えて
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raf.(プロフ) - 菜の花さん» これからの展開どんどん切なくなって行くと思います(笑)ですが、切ない中でも温かさなどを感じられる作品を作って行ければいいなと思っているのでこれからもよろしくお願いします! (2019年8月13日 1時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
raf.(プロフ) - yuuriさん» コメントありがとうございます。多少てこづってますが頑張ります。これからもよろしくお願いします! (2019年8月13日 1時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
菜の花 - ちょっと切なく感じます(笑)続きが気になります!更新頑張ってくださいね!! (2019年7月29日 11時) (レス) id: 7fe6ef1444 (このIDを非表示/違反報告)
yuuri(プロフ) - とてもいい作品ですね!こういうタイプめっちゃ好みです!応援してます!頑張ってください。 (2019年7月28日 23時) (レス) id: 071915ef58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:raf. | 作成日時:2019年7月22日 20時