初恋 -R.F-

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you









ホンマに沢山練習した


このためならどんな人ともコミュニケーションが取れたし


素直に頭を下げられた





授業中だって無意識に指を動かしてしまうぐらい



だからもう大丈夫



絶対間違えない…はず






「頑張ってね」



応援しに来てくれた神ちゃんと


練習するうちに仲良くなってくれた吹奏楽部の子達が言う





イスの設営、病院中回ってのチラシ配りとか色々協力してくれてホンマに感謝してる







3時間後、私の演奏会が始まる



流星くんの病室に行くとベットの上でぐったりしてる流星くんが目に入る






「流星…くん？」


「あ、A…昨日からこんなんで……」



へへって笑うけど顔色は最悪でホンマにつらそう






「大丈夫…演奏会には絶対行くから…」


「…あんま……無理しないでね」





本当は絶対に見に来て欲しかったんやけど


流星くんの姿を見てそんなこと言えるわけなかった






「あ、Aちゃん居た」


「うん。流星くんのとこ行ってた」


「そっか、流星楽しみにしてた？」


「うん…」


「ん？どした？」


「……なんかめっちゃ辛そうやった…」


「…そっか…大丈夫だよ

あと2時間ある。その頃にはケロッと元気な流星が来てくれるよ」






そう言って優しい神ちゃんは私の肩をポンっと叩くけど


やっぱり見に来て欲しい気持ちが強くてどうしたらいいか分からなくなる






あっという間に2時間後



『今日の特別講演は○×高校のピアニスト、姫島Aさんです。拍手でお迎えください』



それと同時に大きな拍手が鳴り響いて



想像してたよりも遥かに多い人が私を拍手で迎えてくれる






派手髪神ちゃんは目立つから直ぐに見つけるとニコッと笑って手を振ってくれて



その隣にはとろっとした目をしてふわっと笑った流星くん






見つけた瞬間涙が溢れそうになって



観客の方に深く頭を下げる







椅子に座ってふぅ…と息を吐く


鍵盤に指を乗せて勢いよくピアノを叩く






大好きな人に届くように



沢山の想いを込めて






曲は



彼が一番最初にリクエストしてくれた曲



多分、なんの意味も知らずにリクエストしたんやろうけど



この曲には『貴方を最期まで愛する』という意味が込められてる






伝われ



私の想い伝われ









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